検査
当院ではその場で診断ができるよう、
POCT(院内迅速検査)機器を多数導入しています。
一般の方に馴染みのあるPOCT検査は、
・血糖値検査
・妊娠検査
・インフルエンザ検査
などがありますが、技術革新により、多くの検査が院内でその場ですぐにできるようになりました。
POCT(院内迅速検査)を組み合わせることにより、時間と身体の負担を少なく診断につなげることができます。
当院で導入しているPOCT(院内迅速検査)を以下に紹介します。
〇末梢血検査
全自動血球計数器 MEK-6500シリーズ セルタックα
指先の微量採血で白血球3分類を含む19項目を測定できます。
WBC(白血球数)とGR(好中球数)をもとに、ウイルス風邪か細菌性風邪かをある程度特定します。
HGB(血色素)やMCV(平均赤血球容積:赤血球の大きさの平均値)、RDW(赤血球容積分布幅:赤血球の大小不同)をもとに、お子さんの鉄欠乏の有無を確認します。乳幼児や思春期の成長期には鉄分不足になりやすいので1年に1回はチェックしていただくと良いでしょう。
PLT(血小板数)をもとに、紫斑、出血斑の原因をある程度特定します。お子さんでは大人よりも血小板が減少することが多く、1年に1回はチェックしていただくと良いでしょう。
当院では、風邪その他で受診の際に、こまめに末梢血検査をおこなうため、無症状の方の白血病が見つかることが年に1-2人程度あります。
以下測定項目
WBC、LY%、MO%、GR%、LY、MO、GR、RBC、HGB、HCT、MCV、MCH、MCHC、RDW-CV、RDW-SD、PLT、PCT、MPV、PDW
〇CRP
臨床化学分析装置 CHM-4100 セルタックケミ
指先の微量採血で炎症の度合いを判定するCRPを測定します。
細菌性の風邪では上昇しやすく、ウイルス性の風邪では上昇しにくい(アデノウイルス等の一部ウイルスを除く)特徴があります。
風邪以外にも川崎病や周期性発熱症でもCRPが上昇します。
上記の特徴により、末梢血検査と組み合わせて診断につなげます。
〇血糖値検査
指先の微量採血で血液中のブドウ糖濃度を測定します。
小さいお子さんでは大人と比べて血糖値を維持する能力が低く、低血糖になりやすいです。
疲れすぎて夕食を食べずにそのまま寝てしまったりすると朝起きたら低血糖でしばらく元気がなかったり、グッタリして吐いてしまうこともあります。
胃腸風邪をきっかけに糖分が摂取できず低血糖になってグッタリすることもあります。
そのようなお子さんでもラムネやアメを口に含むだけで元気になることが小児科外来ではよく経験されます。
胃腸風邪の場合は脱水よりも低血糖に注意が必要です。
〇HbA1C
臨床化学分析装置 CHM-4100 セルタックケミ
指先の微量採血で血液中の糖化ヘモグロビン濃度を測定します。
慢性的に血糖値が高い状態が続くと、HbA1Cが上昇します。
高血糖があり、糖尿病を疑う場合に測定します。
〇各感染症検査
インフルエンザ抗原迅速検査
RSウイルス抗原迅速検査
アデノウイルス抗原迅速検査
ヒトメニューもウイルス抗原迅速検査
肺炎球菌抗原迅速検査
マイコプラズマ抗原迅速検査
百日咳抗原迅速検査
○アレルギー検査
指先の採血でダニやカビ等のアレルギー検査をおこないます。
当院では一滴の血液で41種類のアレルゲンを調べることができるドロップスクリーンを導入しています。
一滴の血液で花粉症、食物アレルギーの検査ができるので、小さいお子さんでも負担が少ないです。