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吃音は主に就学前の子どもに多い

 
吃音は2~4歳のお子さんで5%の割合で発症し、6~8割のお子さんは就学前に自然に症状が消えていくとも言われています。
しかし、就学後も残ってしまうケースや大人になっても吃音に悩まされるケースもあります(映画「英国王のスピーチ」は吃音に悩まされた実在の英国王ジョージ6世とその治療を試みる言語療法士との絆を描いたヒューマンドラマです)。
吃音を持っていると周りにからかわれたり、大人から喋り方の指導を受けやすくなるなど、本人の自尊心を傷つけてしまうことがあります。
 
 

1.どんな症状なの?

 
吃音の症状には、主に3種類あります。
連発…「あ、あ、あ、ありがとう!」と同じ音を繰り返す症状
伸発…「あーーーーーーりがとう!」と最初の音を引き延ばしてしまう症状
難発…「・・・・・・ありがとう!」と最初の音が詰まって出てこない症状
 
必ずしもそうとは限りませんが、一般的に「連発」→「伸発」→「難発」の順番で症状が悪化していくと言われています。
 

          

 
 

2.きっかけ

 
吃音は親のしつけの問題が原因であると言われていたことがありました。
しかし現在ではその考えは否定され、吃音の要因は7~8割近くが生まれつきの遺伝的な体質が原因であると考えられるようになりました。
これは双生児研究で、二卵性の双子よりも一卵性の双子の方が両方ともに吃音になりやすいという結果からも実証されています。
ですので、親が「自分が厳しくしたから吃音になったのかも…」と自分を責める必要はありません。
もしきつく叱ってから吃音が出たとしても、あくまでそれはきっかけであり原因ではないのです。
 
 

3.周りの人はどうしたらいいの?

 
吃音を持つ子どもに対しては、無理して直させようとしないことが最も大切です。
ついつい、「ゆっくり話してごらん」「もう一度言い直してごらん」と言いたくなるでしょうが、それは逆効果です。それを言われた子どもたちは、自分自身で吃音を直そうとし、かえって症状が悪化してしまうのです。
「あ、あ、あ、あありがとう」と言わないようにするために言葉を伸ばして「あーーーりがとう」と言ってしまうのです。このようにして、吃音は症状が悪化していってしまうのです。
無理して直さずに「あ、あ、あ、ありがとう」のままでいいことを伝えてあげてください。
またからかいや、いじめの対象とならないように園や学校での対応も重要となります。
必要に応じて、言語聴覚士や通級などで吃音治療の訓練を受けることもできます。
 
 
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