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自閉スペクトラム症とは?

 
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:略して「ASD」)は、コミュニケーションの苦手さ、特定のものへの強い関心やこだわりといったことによって特徴づけられる発達障害の1種です。
 
スペクトラムとは虹のことで、自閉スペクトラム症の特性を虹のグラデーションで連続的なものとする考え方です。
特性が幼少期から見られるのが「自閉スペクトラム」であり、
その特性があることによって社会生活上なんらかの支障をきたしたときに「自閉スペクトラム症」と診断されます。
 
そのため、「特性はあるけど、社会的な生活では支障がない人」もいます。
 

 

 

1.症状

 
大きく2つの特性があり、これらが生まれつき見られます。
①社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応の持続的な欠陥
・言葉や言葉以外の方法(視線、表情、声色、身振りなど)から、相手の考えていることを読み取りにくい
・自分の考えを伝えるのが苦手
・「暗黙の了解」が理解できない
・相手とのやり取りが苦手で、一方的に話してしまう
 
例えば…
友達に「寄り道しようよ」と誘われたときに、寄り道をするのはルール違反なので「行かない」と答えます。そうすると友達はなんとなく気まずくなったり、面白くない気持ちになったりして、次からは声をかけてこなくなるかもしれません。
しかし、本人は「寄り道は悪い」という正しいルールを伝えただけなので、なぜ友達に誘ってもらえないのかが分かりません。友達の気まずい気持ちが想像しにくいのです。
そのため、気づいたら友達から距離を取られてしまい「いじめられている」と感じることもあります。
 
②行動、興味、または活動の限定された反復的な様式
・同じ道を通りたがる、物事の手順が決まっている
・臨機応変に対応できない、変化が苦手
・感覚過敏がある
 
例えば…
学校での突然の教科変更や、天気による日課の変更、長期休みなどの生活リズムの変化など、日常の中での「え?それも?」と言ったことが、とてもつらく感じられ、大きなストレスとなります。
 
 

2.原因

 
原因は不明ですが、生まれつきの脳機能の異常によるものと考えられています。
「しつけのせい?」「育て方のせい?」と感じる方がいますが、奏ではありません。
多くの研究から、親の育て方やしつけなどが原因ではないことが分かっています。
 

3.治療

 
自閉スペクトラムは特性であり、特性自体を治療することはできません。
しかし、本人の大変さを周囲の環境設定や、療育などを活用して、軽減していくことはできます。
 
また、一言で「自閉スペクトラム」といっても、その特性の現れ方は様々です。
目を合わせるのが苦手で一人を好む人もいれば、逆に人と話すのは大好きだけど一方的になってしまう人もいます。普段の生活で特別に困らないけど、相手の考えていることを表情やニュアンスから読み取ることが出来ない人もいます。昆虫や恐竜など好きなものにはまって詳しくなる博士タイプの人もいます。
共通する特性はあっても、その程度や社会生活上の困難さは人それぞれです。
 
自閉スペクトラムの人は特性を周囲に理解してもらいにくく、いじめの被害にあったり、努力しても上手くいかないことが繰り返されたりして自尊心が低下しやすくなったりします。
とくに思春期以降は、周囲とのコミュニケーションの難しさなどから、
二次障害(身体症状、精神症状、不登校)などを引き起こすこともあります。
※身体症状…頭痛、腹痛、チックなど
 精神症状…不安、うつ、緊張など
 
そのような場合には、投薬治療を行うこともあります。
 

4.診断はどこで、どのようにされるの?

 
発達に関するご本人や保護者の方の困り具合、また小さい時の様子の聞き取り、必要があれば心理検査などの情報を総合して、医師による診断が行われます。
 
当院では、心理検査を用いてご本人が自分の特徴を理解したり、ご家族がご本人の特徴を理解するお手伝いをします。また医師による投薬治療も行っています。
 
何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
 
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