
起立性調節障害は思春期に多い
起立性調節障害は思春期、特に中学生に多い小児心身症疾患であり、
思春期の子において軽症も含めて5~10%の発症率であると言われています。
そしてそのうちの半数以上が不登校を併発しています。
10%も発症率があるのに、「そんな病気聞いたことがない」と不思議に思われる方もいるかもしれません。
それは、この疾患がただ単に「朝弱い子」と見られ、怠けや性格など本人の生活態度の問題とされてしまい、病気として認知されにくいためです。
とくに起立性調節障害の子どもは昼間から夕方にかけて症状がよくなり夜には元気になっていることが多いので、より一層周囲の理解が得られにくいのです。

1.症状
主な症状として
朝の起きにくさ、寝つきの悪さ、食欲不振、頭痛、腹痛、
またそれに伴うイライラや無気力状態があり、
家族との関係にも大きな影響を与えます。
起立性調節障害の子どもの半数が不登校を併発するなど、心理社会的影響も大きい病気と言えます。
要因としては、起床時に血圧が上がらず血圧低下や脳の血流が悪くなり、起床や起立が困難となります。
またこの症状に伴うつらさや不快感から学校に行くことが困難になっていきます。
学校に行けないことから自尊心の低下など二次障害の併発もしやすい病気と言えます。
2.きっかけ
起立性調節障害は、気圧や気候の関係で初夏頃に発症率が高くなると言われています。
また、思春期の成長に伴う自律神経系のバランスの乱れや、人間関係のストレス、部活のストレスなど様々なきっかけから発症します。
3.治療
起立性調節障害は、治療の開始が遅れてしまうと症状が悪化するリスクがあります。
起立性調節障害はストレスがとてもかかる病気なので、長引かせれば長引かせるほど症状が悪化していくためです。
発症して治療が開始されるまで3ヶ月未満の子どもは、3ヶ月以上の子どもに比べて、通常通り登校出来るようになるまで回復したという研究報告もあるほどです。
起立性調節障害の疑いがあったら、すぐに最寄りの小児科に受診してみましょう。
またご家庭でも、適度な運動やゆっくりと頭を起こして起き上がるように心掛けたり、血圧を上げるために、水分の補給(1日:1.5L~2L)、塩分の摂取(1日:7~10gほど:味噌汁にして7杯ほど)また、血圧を上げるためにきつめのタイツなどを履くといったことも効果があると言われています。

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