豊田市の小児科・予防接種・アレルギー科・小児皮膚科・渡航外来・発達外来(自閉症・ADHD)・心療内科・思春期外来:アイキッズクリニック

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1.どんな症状なの?

 
場面緘黙とは、家庭の中では普通に喋れても、特定の状況(学校や園、あるいは親戚の家など)で喋ることが出来ないことを主症状とする不安障害です。
診断を受けるには、自閉症スペクトラム症や吃音などの診断がない状態で1か月以上、社会生活が困難な症状が続いている必要があります。学校や園といった社会生活の中で一言も発することができないため、友人関係を築くことや言葉を使って発表するといった場面で困難が生じます。
また性別差のある症状としても知られており、男児に比べて女児の方が有病率(病気になる確率)が2倍高いといった研究報告もされています。
 


 
 
 
 

2.就学まで「気付かれにくい」が特徴的です

 
場面緘黙は家では普通に喋ることが出来るため、「ただの恥ずかしがり屋なんだろう」と思われたり、また学校や保育園で喋らない事を知らなかったというケースが多く、発見が遅れたりすることが多いです。
発症年齢は2~4歳くらいと言われていますが、問題視されるのは学校に入ってからというケースが多いので、発症から発見、治療につながるまでに数年かかってしまうことも場面緘黙の大きな特徴といえます。
園や学校に入学(入園)してしばらく話せないということは決して珍しい事ではありませんので、喋らないからすぐに場面緘黙ということにはなりません。しかし、家では喋るのに学校や園の先生から「学校(園)では全く喋らない」という話を聞いたら、場面緘黙の可能性があることも念頭においておくとよいでしょう。
 
 

3.支援は?

 
場面緘黙の子どもに対する支援としてまずは学校や園など子どもが通っている場所での支援が重要となります。
場面緘黙の子どもたちは、人に見られていると話すことが難しいといったケースが多いです。そのため、誰もいない放課後の教室などで親と2人になり家庭と似た状況を作り出して、まずは親と教室で話せるようにしていきます。そこから次は先生が遠くにいる状態といったように、徐々に通常の学級環境に近づけていくといった、スモールステップで、少しずつ人に見られている中で話せるように支援していきます。
心理相談室などの専門機関ではプレイセラピーや保護者相談、もしくは学校との連携などが主な支援となります。
家庭では、性格や努力不足の問題として捉えてしまうと、子どもを傷つけてしまい自尊心の低下を招きかねないため、場面緘黙に対する正しい知識を持ち、子どもの状態を正しく理解することが重要となります。
まずは専門機関を受診してみましょう。
 
 
 
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