7人に1人は境界知能と言われています
境界知能とは一般的に、知能指数(IQ)がおおよそ70以上85未満の人たちを指すと言われています。IQの平均値は100なので、その平均値から少し下の数値のIQを持つ人たちのことを境界知能と呼んでいます。
この数値は障害というほど低くはなく、いわゆる平均と障害のボーダーラインといえる数値です。そのため、幼少期の健診などで指摘されることがなかったり、幼稚園や保育園で問題なく生活していたりします。外見からも特に異常を感じることもなく、集団の中に紛れてしまえば遠目からはまずわかりません。しかし、友達同士の会話についていけなかったり、学習内容が理解できなかったりと日常の中で支障が出やすく、発見や自覚が困難になりやすいです。
彼らは普通に見えますが、普通の日常を送ることが困難なのが最大の特徴と言えます。
1.どんな問題が起きるのか
・学習面についていけない
境界知能というのは小学校高学年のクラスに中学年の子どもが混じるようなものなので、学習内容についていけないことが容易に想像できると思います。しかし外見上は普通の子どもに言えるので、本人のやる気の問題や、性格の問題として片付けられてしまい、理解が得らずに本人が自信を無くしてしまったりすることに繋がっていきます。
・対人関係を築くことの困難さ
年齢が上がっていくにつれて興味や話題が変わっていきますが、境界知能の子どもは実年齢に合わない低年齢向けのアニメやテレビ番組を好んだり、年下の子どもたちと遊びたがったりします。これは同年齢の子どもたちと知的水準が違うために会話が成立しなかったり、周囲の言っていることが理解できないために起こります。そのため、クラスで孤立してしまったり、親密な人間関係を築くことが難しいといった問題が生じます。
・日常生活では?
感情のコントロールが難しかったり、力加減や手先の不器用さ、ルールの理解や仕事の手順が理解できないといった形で困難さが生じてきます。また善悪の判断の難しさから犯罪に巻き込まれてしまうといったケースもあります。
2.どんな対応が必要?
境界知能への対応は大きく分けて2つあります。
・認知機能のトレーニングをすること
推論する力や記憶する力を鍛えるコグトレといった方法です。宮口幸次先生(精神科医)の書籍に詳しく書かれていますのでご参照ください。
・環境調整
子どもに合わせた教え方や学習方法で学習を行います。特別支援学級や、個別指導塾などはまさに個人誇示のレベルに合わせた方法と言えます。
3.診断
子どもの発達障害
- 発達障害
- 自閉症スペクトラム症
- ADHD
- 学習障害(LD)
- 知的障害