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ホクロ・イボ

ホクロ・イボ除去について

メラニン色素を含む細胞(メラノサイト)が皮膚の一部に高い密度で集まった際にできたものが「ホクロ」、皮膚が盛り上がってできたものを「イボ」といいます。
当院では、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)や手術により取り除くことができます。
 

ホクロとは

ホクロは、医療用語で「母斑細胞母斑」「色素性母斑」と呼ばれるもので、メラニン色素を作る細胞「メラノサイト」が変化した皮膚良性腫瘍です。
生まれつきでないものは、直径1〜7mm程度、生まれつきのものは20cm以上になるケースもあります。色は黒色、茶色、肌色などで、形は扁平なものから盛り上がったものまで、様々なバリエーションがあります。
 

ホクロの種類について

ホクロには様々な種類があります。
一般的なホクロは母斑細胞性母斑と呼ばれますが、その中でも「通常よりも大きなホクロ」や「太い毛が生えているホクロ」「盛り上がりのあるホクロ」など、様々な種類に分けられます。
また、ホクロだと思っていたものが、実は「メラノーマ」と呼ばれる悪性腫瘍だったということもあるため、ホクロ治療は最初にホクロの種類について確認することが大切です。
 
ホクロの皮膚内の深度によっても3つに分類されます。
・表皮と真皮の境界部分までの深さのもの…「境界母斑」
・表皮と真皮の境界部分から真皮の浅い部分までの深さのもの…「複合母斑」
・母斑細胞が真皮のみにあるもの…「真皮内母斑」
深い部分に母斑細胞が増殖するほど、皮膚の表面でホクロが盛り上がった状態になります。
さらに症状により4種類に分類されます。
 
1.ミーシャー母斑
首から上(首・顔・頭部)に多いのがこのタイプのホクロ。
見た目はドーム状に膨らんでいて、毛が生えている場合もあります。
幼児期や小児期にできたものが成長とともに徐々に膨らむのが特徴です。
しかし、色は成長に伴って黒褐色だったものが茶色になり、さらに薄くなり皮膚の色と見分けがつかない状態まで近づきます。
個人差はありますが、表面に見えている部分は直径1cm未満のものも多いです。皮膚内部では、母斑細胞が逆三角形のような形状で複合母斑や真皮内母斑になっていて、稀に皮下脂肪に達していることがあります。
 
2.ウンナ母斑
思春期から20代・30代にかけて、体幹を中心に上腕や太ももなどにもできるホクロです。大きさは直径1cmほどのものが多く、柔らかく丸い粒状あるいは桑の実状に膨らみます。ホクロの色は黒色から茶褐色で、複合母斑や真皮内母斑が多いです。
生まれた時からあるものもありますが、その場合は3歳ごろまでに約90%が自然に消失すると言われています。生まれながらのものは、後頭部からうなじにかけてできるもので、正中部母斑のひとつです。正中部母斑とは生まれながらに体の正中部(額・眉間、うなじ)にある赤いアザのことで、この場合は遺伝するケースもあります。
 
3.クラーク母斑
手の平、足の裏を含む全身にできる平で楕円形のホクロですが、中央部のみ隆起しているケースもあります。色は黒色から黒褐色が多く、中央部分が濃く、外側にむかうにつれ、色が薄くなっていくのが特徴です。
ホクロの中では最もよく発生している種類で、大きさは1cm以下であることが多いです。
 
4.スピッツ母斑
比較的若年層に多く見かけるホクロで若年性黒色腫とも呼ばれています。60歳以上の高齢者にこのホクロができているケースは非常に稀です。
また、この母斑のほとんどが幼児期に発生したもので、赤から茶色、黒色のホクロが部位を問わず、全身どこにでもできる可能性があります。
境界母斑、複合母斑、真皮内母斑といずれの場合もあり得るホクロです。
通常は、1cm未満の大きさしかありませんが、急激に大きくなることがあります。
ただし、この母斑の場合は、一定の大きさにまで成長したあとはそれ以上大きくならないことがほとんどです。
注意しなければならないのは悪性皮膚がんとの区別が難しいことで、きちんと見分ける必要があります。
 
※珍しいホクロ
 

・青色母斑
 人口の約3%に発生する非常に濃いホクロで、その色の濃さから黒色に見える場合も珍しくありません。ホクロの色をとって「青ボクロ」と呼ばれることもあります。
このホクロが青く見えるのは、メラノサイトが原因です。皮膚の色を濃くするメラニンの素であるメラノサイトは表皮で増殖しますが、青色母斑の場合は、真皮の奥深くで増殖するので通常より青黒く見え、メラノサイトの多さからホクロも少し硬めです。大きさは1cm以下のものが多く、表面はつるりとした手触りで小さく盛り上がっていることも多いです。手や足の甲、顔などに発生し、稀に悪性化する場合もあるので注意が必要なホクロのひとつになります。
 
・獣皮様母斑
 こちらは生まれつきあるホクロで、「巨大色素性母斑」や「有毛性母斑」とも呼ばれています。通常、ホクロは大きくなっても6mm以下ですが、獣皮様母斑は小さなものでも10cm以上あり、大人に成長した時にはその大きさが直径20cmになっていることも多いです。
一般的なホクロにも毛は生えることはありますが、獣皮様母斑の場合は、ホクロの部分すべてに太い剛毛が生えています。
獣皮様母斑は全身のどの場所にもできる可能性があります。悪性黒色腫との区別がしづらく、実際に同症状が発生しやすいことから慎重な判断が必要です。
ホクロは真皮にまで母斑細胞が増殖しているものもあるため、自己除去するのは困難です。ホクロの中には、一見表皮部分にしかないように見えるものもあります。そのため、ホクロを自己除去する様々な方法をインターネット上でも見かけますが、改善するためには、まず、ホクロがどのタイプなのかを正確に判断しなければなりません。その上で安全安心な治療方法を見つけましょう。
 

 

イボの種類について

イボとは、皮膚の表面にできた小さな突起物のことです。
一般的にはドーム状に盛り上がった形状の「できもの」で、大きく分けるとウイルスの感染が原因となって起こるタイプと皮膚の加齢によって起こるタイプがあります。なお、イボのほとんどは良性ですが、悪性のものが全くないとも言い切れません。
 
ウイルス感染で起こるイボには、ヒトパピローマウイルス感染によるウイルス性疣贅と、ボックスウイルス感染による伝染性軟属腫があります。
伝染性軟属腫は別名で水イボと呼ばれているものです。ウイルス性疣贅はさらに、尋常性疣贅、足底疣贅、青年性扁平疣贅、尖圭コンジローマ、そしてボーエン様丘疹症の5種類に分けることができます。
当院では、尋常性疣贅と加齢によって起こる脂漏性角化症(老人性のイボ)についてのご相談が多くあります。