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AGA(薄毛治療)

AGA(男性型脱毛症)とは

AGAはAndrogenetic Alopeciaの略称で、日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれています。
医学的には、Male Pattern Hair Lossと言われるようになり、AGAは成人男性に多く見られる脱毛症の一種です。
現在では、薄毛や抜け毛に悩む男性の殆どがAGAであると言われています。
 
AGAは、主に男性ホルモンに起因して発症しますが、男性ホルモン以外にも遺伝や生活習慣など様々な要因が関わっていると考えられています。
一般的に額の生え際や頭頂部のつむじ周辺から抜け毛が起こるとされており、進行性の脱毛症であるため時間をかけて少しずつ薄毛が進んでいくのが特徴です。
AGAを発症した場合は、何らかの治療を施さない限り、薄毛が進行し続けるため、早い段階で医師の診察を受けることをおすすめします。
 

AGAセルフチェック項目

抜け毛の量が増えた
以前と比べると額が広くなってきた
つむじ周辺の地肌が目立つようになってきた
髪の毛のハリやコシがなくなってきた
髪の毛が細くなり、全体的にボリュームが減った
血縁関係の親戚に薄毛のかたが多い
 
以上の項目に1つでも該当がある場合は、AGAの可能性もあります。
 
その他、額と頭皮の距離を測ることでもチェックすることができます。
①顔の筋肉だけで額にシワを作ります。
②額にできた一番上のシワと髪の毛の生え際の間に指を1本置く。

シワと生え際の距離が指1本分であれば薄毛の可能性は低いと考えられますが、2〜3本分の距離があいている場合は、AGAである可能性があります。
(額の広さは個人差があるため、あくまで目安です)
 

AGAの脱毛パターン

AGAによる薄毛には、いくつかの進行パターンがあります。
前頭部の額の生え際から進行するタイプや、頭頂部のつむじ周辺から薄毛が進行していくタイプ、前頭部と頭頂部の薄毛が同時に進行する混合タイプがあります。
 

 
また、日本人の場合は、欧米人にはあまり見られない、頭頂部の薄毛のみが進行するパターンが多くあります。
AGAの進行パターンや進行度合いのレベルには世界的基準がありますが、現在どのパターンに属しているのかの判断が難しいため、気づかない間に薄毛が進行してしまうこともあります。
薄毛の進行が気になったとき、お悩みが出てきたときはクリニックなどで診断してもらうと安心です。
 
 

AGAの仕組みと原因

AGAの仕組み
AGAによる薄毛や抜け毛の仕組みを知るためには、「ヘアサイクル(毛周期)」について理解しておくことが大切です。
髪の毛の成長にはヘアサイクルと呼ばれる一定の周期があり、通常のヘアサイクルは1000日〜2000日かけて1周します。
ヘアサイクルは大きく3つの段階で構成されています。
 
①成長期(2〜6年):髪の毛が最も活発に育まれる
 さらに「早期」「中期」「後期」の3段階に分かれています
 
②退行期(2〜3週間):髪の毛の伸長が止まり細胞の自然死(アポトーシス)により毛包が退縮していく
 
③休止期(3〜4ヶ月):毛包の活動が停止する
 

 
髪の毛の1本1本にはそれぞれ独立したヘアサイクルが存在していますが、個々で一生涯に繰り返される回数が決まっているため、ヘアサイクルが終了した時点でその髪の毛は寿命を迎えます。このヘアサイクルが極端に短くなってしまうのがAGAです。
 
AGAには、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が体内の還元酵素「5αリダクターゼ(5α還元酵素)Ⅰ型およびⅡ型」によって変化し生成された「DHT(ジヒドロテストステロン)」が大きく関わっています。
 
DHTは男性ホルモン受容体の「アンドロゲンレセプター」と結合することで、ヒゲなどの体毛に対しては、成長因子を刺激して毛を太く成長させる作用を持ちます。しかし、前頭部や頭頂部の髪の毛に対して毛母細胞の分裂を抑制し、ヘアサイクルにおける成長期を短縮させてしまう働きを持っているのです。
 
DHTによる影響を受けたヘアサイクルは、成長期が最短100日程度と極端に短縮されてしまいます。これは、DHTの生成に関わる5αリダクターゼにより、ヒゲなどの体毛では”毛の成長を促すシグナル”が産生されるのに対し、前頭部や頭頂部では”毛の成長期を阻害するシグナル”が産生されるためと考えられています。

 
このようにヘアサイクルの成長期が極端に短縮されることで、髪の毛は十分に育たないまま退行期を迎えることになります。
ヘアサイクルが乱れ、長く太い毛へと成長できずに細く短い髪の毛ばかりが増えていくことを「軟毛化」と呼び、この軟毛化現象がAGAの進行を示し、薄毛へと繋がっていきます。
 
 
 
AGAの原因
AGAの主な原因は男性ホルモンですが、遺伝も要因の1つとして考えられており、様々な遺伝子が影響していることが知られています。
そのひとつに「X染色体」の影響が考えられています。
AGAの発症に関与するアンドロゲンレセプターに関わる遺伝情報が、母親から受け継ぐX染色体に含まれているためです。X染色体は、母親からのみ受け継がれる染色体になります。
 
そのため、アンドロゲンレセプターの感受性が強い遺伝子情報を受け継いだ場合には、薄毛になりやすい可能性が考えられています。
ただし、アンドロゲンレセプターに対する高感受性を示す遺伝子情報をもっていても、必ずAGAが発症するわけではありません。
 
その他にも、睡眠や運動不足、不摂生な食事などの生活習慣やストレスが環境要因として影響していると言われています。
中でも、「肥満」はAGAの重症度や発症時期に影響を与えると考えられていますが、現時点では、医学的根拠は認められていません。

若年層のAGA

AGAの発症時期は個人差がありますが、10代や20代から薄毛の症状が現れるかたもいます。AGAは一度発症すると進行し続けてしまう脱毛症であると同時に、ヘアサイクルには限りがあります。若いうちにAGAを発症すると、早い段階でヘアサイクルも消費するため、AGAの可能性がある場合は、早期治療が重要です。
 

AGAの治療法

投薬治療
治療薬にはいくつか種類があります。
主にAGAの進行を抑制し、現状の毛髪の状態を維持するためのお薬と、発毛効果により、毛を復活させるためのお薬があります。
 
治療薬には、内服薬と外用薬があり、単体で使用する場合と、併用する場合とがあります。
なお、当院では、内服薬のみの処方となります。
 
●進行を抑制するお薬(「デュタステリド」「フィナステリド」)
デュタステリド:DHTのもととなる5αリダクターゼⅠ型およびⅡ型を阻害する働きがあります。
5αリダクターゼの働きを阻害することでDHTの生成が抑制され、ヘアサイクルが正常になるため、抜け毛・薄毛改善が期待できます。
継続することで進行を予防することもできます。
 
なお、副作用としては、リビドー減少、勃起機能障害(ED)、射精障害、肝機能障害などがあります。
 
 
 
フィナステリド:Ⅱ型5αリダクターゼのみを阻害する働きがあります。
デュタステリドと同様に、テストステロンがDHTに変化されることを防ぎ、DHTにより短縮されたヘアサイクルを改善する効果が期待できます。
なお、副作用としては、リビドー減少、勃起機能障害(ED)、射精障害、肝機能障害などがあります。
 
 
●発毛を促すお薬(「ミノキシジル(外用薬)」「ミノキシジル(内服薬)」)
ミノキシジル外用薬:AGAが進行している場合、進行を抑制するだけでは薄毛が改善されにくいため、発毛効果がある「ミノキシジル」の外用薬を使用することがあります。
ミノキシジルは、もともと高血圧患者向けの降圧剤として開発されましたが、発毛を促す効果があることが判明し、AGA治療薬としても使用されるようになりました。
ミノキシジルは毛母細胞を増殖させるだけではなく、ヘアサイクルの成長期を延長する働きがあります。
 
なお、副作用としては、頭皮のかゆみやかぶれなどがあります。
ミノキシジル内服薬:血中より毛球部にある毛乳頭を辿って効果を発揮するため、外用薬よりも高い発毛効果が期待できます。
現在は国内未承認のお薬です。
 
なお、副作用としては、頭痛やめまい、動悸などがあります。
 
 
 
自宅植毛術
AGAに侵されていない後頭部から健康な部分を毛根ごと(頭皮ごと)採取し、 患部に移植する外科手術です。
82.5%以上の定着率が得られるため、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版では、男性においての推奨度が高いです。
ただし、費用が高額になること、痛みや手術に伴う合併症などのリスクが考えられる治療方法といえます。
 
 
 
メソセラピー
皮下注射により、毛の成長を促す成分を直接頭皮へ注入する方法です。
 
 
 
HARG療法
脂肪由来の幹細胞から抽出した「成長因子」を頭皮に注入し、毛の成長を促すメソセラピーの一種です。
最近では、針を使用せず、パルス電圧により、有効成分を頭皮に浸透させる「ノンニードル」の方法もあります。
 
 
 
 
なお、当院では、「デュタステリド」のみのお取り扱いとなります。