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メディカルダイエット

メディカルダイエットとは

 

メディカルダイエットは、医療ダイエットとも言われ、医師の管理下で行われるダイエットのことです。
体重や脂肪を減らすため、医療機関で薬や医療機器を使用します。メディカルダイエットの種類は主に以下の2つに大別されます。
 
目的 対応方法
体重減少を目的とした方法 飲み薬、自己注射、漢方
局所的な脂肪減少を目的とした方法 医療機器(HIFUなど)、医療機関での注射治療(脂肪溶解など)
*HIFU:高密度焦点式超音波。脂肪溶解を目的として行われる。
 
当院では、肥満症治療剤として承認されている「ウゴービ®️皮下注MD」(GLP-1受容体作動薬)を導入しています。

 

GLP-1受容体作動薬とは

GLP-1(Glucagon-Like Peptide-1、グルカゴン様ペプチド-1)は、食事の摂取後に小腸から分泌されるインクレチンホルモンの一つで、血糖値の上昇を抑える働きを持っています。主な作用は次の通りです。
 
インスリン分泌を増やす: GLP-1は膵臓のβ細胞に作用し、血糖値が高い状態でインスリンの分泌を促進します。この作用により、食後の血糖値を下げます。
グルカゴン分泌を抑える: GLP-1は膵臓のα細胞に作用して、グルカゴン(血糖値を上げるホルモン)の分泌を抑制し、これにより肝臓からの糖新生が抑えられます。
胃の動きを鈍くする: GLP-1は胃からの内容物の排出を遅らせるため、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
食欲を抑える: GLP-1は中枢神経系に働きかけ、食欲を抑える効果があります。食べる量が減り、血糖コントロールを改善させるだけでなく体重減少が期待できます。
インスリン分泌の調節とグルカゴンの抑制というダブルの効果により、優れた血糖降下作用を発揮します。
さらに、GLP-1受容体は心臓や血管、腎臓などにも存在し、GLP-1受容体作動薬には血管や各臓器の炎症を抑えたり血管を拡げたりする作用があることが報告されています。血糖値を下げる薬という枠組みを超えた多面的な健康効果があると考えられます。

 

GLP-1受容体作動薬の副作用

下痢や嘔吐

消化管の動きに影響を与えることから、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器系の症状が最も一般的な副作用です。
 

低血糖

他の糖尿病薬(特にインスリンやスルホニルウレア剤等)と併用すると低血糖のリスクが高くなります。
 

急性膵炎

急性膵炎のリスクがわずかに増加するという報告がありますが、このリスクはまだ議論の余地があり、確立はされていません。最近のメタ解析ではGLP-1受容体作動薬の使用は2型糖尿病患者さんの膵炎・膵がんの発症と有意な関連はありませんでした。
 

胆のう・胆管疾患

特に長期間、高容量のGLP-1受容体作動薬を減量目的で使用すると胆道系に問題が生じることがあります。最近のメタ解析では胆石症のリスクが1.27倍、胆嚢炎のリスクが1.36倍、胆管疾患のリスクが1.55倍に増えました。
 

甲状腺がん

1~3年間継続してGLP-1受容体作動薬を使うと全タイプの甲状腺がんおよび甲状腺髄様がんの発症リスクが1.5倍以上に増加するという報告がありますが、別の研究ではGLP-1受容体作動薬の使用と甲状腺がんの発症の間に関係はありませんでした。このリスクについても議論の余地があります。
 

アレルギー反応

アレルギー反応や注射部位の反応(出血や硬結)が報告されています。