ウゴービ®️皮下注MD
ウゴービ(Wegovy)とは
ウゴービは、有効成分セマグルチドを含む「持続性GLP-1受容体作動薬」です。
週1回の自己注射で、食欲を抑え、体重減少を促すことを目的とした肥満症治療薬として日本で承認されています。
肥満と肥満症について
肥満とは
・BMIが25以上で、体内に脂肪が過剰に蓄積した状態のことを言います。
BMI(kg/m2)=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
肥満症とは
・医学的に減量が必要な肥満を言います。
・肥満症は、肥満に関連する健康障害がある場合、あるいは内臓脂肪の蓄積で健康障害が起こりやすい状態にある場合に診断されます。
・肥満の重症度と肥満状態の長期化はどちらも心血管疾患発症に影響を与えることがわかっています。

肥満症を治療する目的は、減量によって健康障害や
健康障害リスクを改善し、QOL改善につなげることです。
適応(日本)
肥満症に対し、以下の条件を満たす場合に使用します
(食事療法・運動療法で十分な効果が得られない方に限る)。
当院では自費診療での処方となります。
BMI≧27 かつ 2つ以上の肥満関連健康障害を有する |
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BMI≧35(いずれも高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを合併) |
当院では、BMI≧22のかたには原則処方しません。 |
作用機序
・セマグルチドはGLP-1受容体に選択的に結合し、脳(視床下部・脳幹など)の摂食調節系に作用して食欲を抑制・満腹感を高めます。
・さらに胃内容排出の遅延などを通じてエネルギー摂取を減少させることが示されています。
有効性(主なエビデンス)
・STEP試験(NEJM 2021): 対象:BMI 27以上(肥満症基準)で2型糖尿病がない成人 方法:生活習慣改善(食事・運動療法)+週1回ウゴービ2.4mg注射 期間:68週間 この条件で、体重が平均10〜15%減少(例:体重100kg→約85kg〜90kg)、 ウエストも平均10cm以上減少しました。 糖尿病がある人を対象にした試験でも同等の効果が確認されています。 |
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・SELECT試験(NEJM 2023):糖尿病のない心血管疾患既往の過体重/肥満者で、セマグルチド2.4mgは主要心血管イベント(MACE)を約20%低減。体重やウエスト周囲径など代謝指標の改善も報告されています。 |
用法・用量(自己注射)
週1回、同じ曜日に皮下注(腹部・大腿・上腕) |
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通常、0.25mg/週から開始し、4週ごとに 0.5 → 1.0 → 1.7 → 2.4mgへ段階的に増量。(忍容性に応じて調整) |
打ち忘れ:次回予定まで48時間以上あれば気づいた時点で注射、48時間未満ならその回はスキップ。曜日変更は前回注射から72時間以上空ける。2回分を同時注射しない。 |
主な副作用
低血糖
脱力感、倦怠感、強い空腹感、冷や汗、血の気が引く、動悸、ふるえ、
頭痛、めまい、吐き気などが起こる場合があります。
※これらの症状を感じたら、すぐに医師に相談してください。
消化器症状
吐き気、嘔吐、下痢、便秘、消化不良、腹痛などが起こる場合があります。
※数週間で治ることもありますが、気になる症状があらわれたら、自分の判断で治療をやめず、医師に相談してください。
急性膵炎
吐き気、嘔吐、激しい上腹部の痛み、背中の痛み、お腹にあざができる、
お腹が張るなどが起こる場合があります。
※これらの症状を感じたら、すぐに医師に相談してください。
胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸
白目が黄色くなる、腹痛が起こる場合があります。
使用できないかた
✔️本剤成分に過敏症既往のある方 |
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✔️糖尿病性ケトアシドーシス・糖尿病性昏睡、1型糖尿病 |
✔️2型糖尿病があり重症感染症・手術など緊急時(インスリン管理が望ましいため) |
取り扱い・保管
✔️冷蔵(2–8℃)で保管、凍結を避ける。 |
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✔️使用前に薬液が無色透明で異物がないことを確認。 |
治療の流れ

料 金

ウゴービのよくある質問
