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子どものアデノウイルス感染症
高熱と目の充血の見極め方

 
「高熱だけど元気そう」「目が赤いけど痛がらない」そんなとき、どう対応すればよいか迷いますよね。
この記事では、アデノウイルスの特徴・家庭でのケア・受診のタイミングを、保護者の不安に寄り添いながら解説します。

 アデノウイルスってどんな病気?

 
アデノウイルス感染症は、ウイルスの型によって咽頭炎(咽頭結膜熱)、結膜炎、胃腸炎など多様な症状を引き起こします。いわゆる「プール熱」もこの一種で、乳幼児〜小学生によくみられる感染症です。

主な症状

 

38℃以上の高熱(5日ほど続くことあり)
目の充血(目やには少ない)
のどの赤み、軽い痛み
咳や鼻水がほとんどない
比較的元気そうに見える

 
高熱があるのに比較的元気で咳も出ない場合、風邪とは違うサインかもしれません。
迷ったときは「熱の高さより、全体の様子」を見て判断しましょう。

検査と診断について

 
当院では、アデノウイルス抗原迅速検査を行っており、その場で診断が可能です。
また、血液検査(白血球・好中球数)からも感染の程度を確認できます。

治療と家庭での過ごし方

 
アデノウイルスに特効薬はなく、対症療法が中心となります。
しっかり休むことで、通常は5日前後で解熱することがほとんどです。

おうちでできること

水分をこまめにとる(脱水に注意)
目やにがあれば優しく拭き取る
「しんどかったら言ってね」と伝えて、自分の状態に気づけるよう促す

 
お子さんによっては、「元気そうに見えても、本当はだるい」と感じていることもあります。
「無理しなくていいよ」「自分で感じたことを伝えてくれて大丈夫だよ」というメッセージが、子どもの心を支えます。

登園・登校の目安

 
解熱後2日以上、かつ体調が戻ってからの登園・登校が推奨されます。
感染力が長く続くため、焦らず、本人の状態と気持ちに合わせて再開を判断しましょう。

よくある質問

 
Q. 熱が高くても元気なら登校してもいいですか?
A. いいえ。
アデノウイルスは症状が軽くても感染力が強く、登校許可の基準(解熱後2日など)を守ることが大切です。
 
Q. 薬はもらえますか?
A. 特効薬はありませんが、症状を和らげる薬(解熱剤など)は処方できます。必要に応じて医師と相談しましょう。
 
Q. 家族にうつりますか?
A. はい。
タオルや食器の共有を避け、手洗いを徹底しましょう。特に小さなお子さんや高齢の方がいる場合は注意が必要です。

まとめ 

 
アデノウイルスは自然に回復する感染症ですが、子ども自身が「疲れてる」「休みたい」と感じられることも、成長においてとても大切なことです。
元気そうに見えても、「休む」という選択ができるよう、見守る・待つ姿勢を忘れずにいたいですね。
 

当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。


【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。