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子どもの溶連菌感染症
のどが痛いときの見極め方

 
「のどが痛い」「つばも飲み込みたくない」とお子さんがつらそうなとき、心配になりますよね。
この記事では、溶連菌感染症の症状・治療・受診のタイミングについて、わかりやすくお伝えします。
親御さんの不安に寄り添いながら、子ども自身の力を信じて関わるヒントもご紹介します。

 溶連菌感染症とは?

 
溶連菌(ようれんきん)とは、正式には「A群β溶血性連鎖球菌」という細菌で、のどの炎症や発熱、発疹を引き起こします。
3歳以上の子どもに多く、幼児〜小学生によく見られます。

特徴的な症状

 

のどの強い痛み(つばを飲み込むだけで痛い)
38℃以上の高熱(大人では熱が出ないことも)
咳・鼻水がほとんどない
体や顔に細かい発疹(熱がなくても出ることあり)
首のリンパの腫れ・痛み

 
「風邪かな?」と思っても、咳や鼻水がないのに高熱・のどの痛みが強い場合は、溶連菌を疑って早めの受診をおすすめします。

検査と診断

当院では、その場で結果がわかる迅速検査(溶連菌抗原検査)を行っています。
必要に応じて、血液検査で炎症の程度(白血球数や好中球数)も確認します。

治療と家庭での過ごし方

抗生剤による治療が必要です。
きちんと飲み切ることで、合併症(リウマチ熱・腎炎など)を防ぐことができます。
症状が改善しても自己判断で中止せず、最後まで飲みきることが大切です。

家庭でできるケアと関わり方

のど越しのよいもの(水分、ゼリー、スープなど)を中心に
熱が下がっても「もう少し休みたい」という気持ちを尊重
「ちゃんと伝えてくれて助かったよ」「がんばってるね」と声かけを

 
お子さんのつらさをすべて取り除くことはできなくても、そばにいて安心できる空気をつくることはできます。
「治そうとがんばる姿」を見守るだけで、子どもの心は少しずつ落ち着いていきます。

登園・登校の目安

 
抗生剤を飲み始めて24時間以上経過し、熱も下がって元気になっていれば登校可能です。
ただし、お子さんの体調や気持ちに応じて、「そろそろ行けそうかな」と本人が思えるタイミングを大切にしましょう。

よくある質問

 
Q. のどが痛くても熱がない場合、溶連菌の可能性はありますか?
A. はい、熱が出ないケースもあります。
のどの強い痛み・咳が出ない・発疹があるなどの特徴がそろえば、検査をおすすめします。
 
Q. 抗生剤は何日間飲めばいいですか?
A. 通常は10日間の内服が推奨されます。
症状がよくなっても、途中でやめずに飲みきるようにしましょう。
 
Q. 学校に行ってもいいのはいつから?
A. 抗生剤を開始して24時間以上経過し、熱も下がっていれば登校は可能です。
ただし無理は禁物。体調と相談しましょう

まとめ 

 
溶連菌感染症は、正しく診断してきちんと治療すれば心配の少ない病気です。
でも、お子さんにとっては「のどが痛い」「なんかつらい」と言葉にしにくい不調。
「痛い」と言えたこと、「休みたい」と言えた気持ちを大切に受け止めながら、無理のない回復を支えていきましょう。
 

当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。


【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。