知的発達症
(知的障害)
言葉や学習の発達がゆっくりで、日常生活にサポートが必要なお子さんがいます。
DSM-5-TR・ICD-11 では知的発達症(Intellectual Developmental Disorder)と呼ばれ、IQ だけでなく適応行動を含めて評価することが重視されています。当院では、0〜18歳の評価と支援計画づくりをサポートしています。

診断基準と評価のポイント
知的機能: 推論・問題解決・学習能力を測る標準化 IQ テスト(例:WISC-V、SB-V)で概ね IQ70 |
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適応機能: 日常生活・社会性・概念的スキルを評価(Vineland-3 など) |
発達期発症: 18歳未満に明らか |
知的発達症は程度分類(軽度・中等度・重度・最重度)によって必要な支援が異なります。
程度分類と支援の例
程度 | 概ねの IQ 目安 | 必要な支援 |
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軽度 | 50〜69 | 小学校通常学級+通級や合理的配慮、生活スキルトレーニング |
中等度 | 35〜49 | 特別支援学級/学校、生活動作の部分介助、職業訓練 |
重度 | 20〜34 | 全面的介助、視線入力機器などコミュニケーション補助 |
最重度 | <20 | 24時間体制のケア、医療的ケア児支援 |
早期発見のサイン
1歳を過ぎても意味のある言葉が出ない |
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2歳半で二語文が出ず、指さし理解も乏しい |
園で指示理解が難しく、同年齢の遊びに入れない |
就学後、読み書き計算が全般的に遅れる |
家庭・学校・地域でできる支援
視覚支援: タイムタイマー、絵カードで手順を示す |
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小さな成功体験: 達成可能な課題設定と具体的ほめ言葉 |
合理的配慮: 課題量調整、ステップ分割、ICT の活用 |
福祉サービス連携: 児童発達支援、放課後等デイサービス、障害福祉サービス受給者証 |
家族サポート: ペアレントトレーニングやレスパイトケアの活用 |
当院からのメッセージ
知的発達症のお子さんは視覚的な理解力やルーティンへの順応など、得意なスタイルを持っています。
早くから強みを伸ばし、困りごとを補う環境を整えることで、自分らしい成長が可能になります。
気になるサインがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
Q. IQが70 を超えたら診断はつかない?
A. IQだけでなく適応行動の困難を総合判断します。
IQ70台でも支援が必要な場合があります。
Q. お薬で改善しますか?
A. 知的発達症そのものを改善する薬はありませんが、睡眠障害や行動面の併存症状には薬が補助的に役立つことがあります。
Q. みよし市在住でも相談できますか?
A. 可能です。みよし市から車で20分、駐車場完備です。
Q. 将来の就労や自立が心配です。
A. 早期から得意を活かしたトレーニングと福祉サービスを組み合わせることで、自立度を高めることができます。
【この記事の監修・執筆】
アイキッズクリニック
院長 会津 研二(小児科専門医)
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
お気軽にご相談ください。