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起立性調節障害
朝起きられないのは“怠け”じゃない

「朝になると起きられない」「立ちくらみが続く」…
それは体からのSOSかもしれません。
「学校に行こうとすると毎朝頭痛や腹痛がある」「昼ごろには元気になるのに、朝がどうしてもつらい」「寝坊ではなく、本当に起き上がれない」
そうしたお子さんの様子に戸惑い、「甘えているのでは?」「怠けているのでは?」と感じてしまう保護者の方も多いかもしれません。
でもそれは、起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)という自律神経の不調による“体の症状”かもしれません。

 

起立性調節障害とは?
思春期に多い“自律神経のバランスの乱れ”

 
起立性調節障害は、立ち上がったときに血圧や脈拍がうまく調整できず、脳への血流が一時的に不足することで起こる体調不良です。
特に小学生高学年〜高校生の思春期に多く、以下のような症状が見られます
 

朝起きられない(特に登校日の朝)
立ちくらみ、めまい、頭痛
食欲不振、腹痛、倦怠感
午前中はつらいが、午後から元気になる
学校に行けない日が増えてきた

 
自律神経は、思春期のホルモン変化やストレス、生活リズムの乱れにとても影響を受けやすく、本人の努力だけではどうにもできないことがあります。

家庭でできる対応
「動かす」より「整える」

 

朝起きられないことを責めない

「早く起きなさい」「いつまで寝てるの!」と叱っても、自律神経の乱れは意志ではコントロールできません。「今日はつらいね」「あとで調子どうか聞かせてね」と、見守る姿勢が回復を早めます。


睡眠と食事を整えることが基本

スマホやゲームは寝る1時間前には終了
就寝時間と起床時間を毎日ほぼ一定に
朝はまず座るだけでもOK。少しでも食事や水分をとる
塩分・水分をしっかり補給(梅干し、おにぎり、味噌汁などもおすすめ)

「学校に行く・行かない」より、
「体調を整える」に目を向ける

「学校に行かせないと…」と焦る気持ちは自然なものですが、まずは体を整えることに集中した方が、結果的に早い回復につながることが多くあります。

受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です

 
次のような状態が2週間以上続く場合は、医療的な対応が必要です。
 

朝起きられず、学校に行けない日が続いている
午前中の頭痛・腹痛・だるさが顕著
昼からは元気なのに、朝だけ極端に調子が悪い
精神的な不安・不登校・抑うつなどが重なってきている
保護者の対応が限界に感じられる

 
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。

当院からのメッセージ

 
起立性調節障害は、「学校に行きたくない」気持ちの問題ではなく、体のバランスが崩れている状態です。
早めの理解と対応で、学校や家庭での生活が少しずつ整っていきます。
オンライン診療・保護者のみのご相談も可能です。
「怠けているのでは?」と不安になったときこそ、どうぞ一度ご相談ください。

よくあるご質問

 
Q.午後からは元気なので仮病のように思えてしまいます…
A. 起立性調節障害の特徴は、午前中の不調と午後の回復です。
仮病ではなく、体のバランスが崩れている状態です。
 
Q.  薬で治りますか?
A. 生活リズムの改善が基本ですが、必要に応じて漢方薬や自律神経調整薬などを使うこともあります。
医師と相談しながら、無理なく整えていきましょう。

 

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【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
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