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子どものインフルエンザ
高熱が出たときの対処法

 
「急な高熱…インフルエンザかも?」そんなとき、親として焦る気持ちは当然です。
でも、正しい知識があれば、落ち着いて対応することができます。
この記事では、子どものインフルエンザの症状・治療・登校の目安をやさしく解説。
お子さんの心と体、どちらにも寄り添った対応のヒントもお伝えします。

 インフルエンザって
どんな病気?

 
インフルエンザは毎年冬に流行するウイルス感染症です。
特に保育園や小学校などの集団生活では、広がりやすくなります。
ウイルスの型(A型・B型)により症状が異なることもありますが、共通して高熱と全身のだるさが特徴です。

主な症状

 

38〜40℃の急な発熱
頭痛・関節の痛み・全身の倦怠感
咳・鼻水・喉の痛み
まれに嘔吐や下痢などの胃腸症状

検査と治療について

 

迅速検査でその場で診断

 
当院では、鼻からの検体でインフルエンザ迅速抗原検査を実施しています。
発熱後12時間以上経ってからの検査が、より正確な結果につながります。
 

抗インフルエンザ薬
の使用について

 
発症から48時間以内であれば、抗インフルエンザ薬(タミフルやゾフルーザなど)により回復が1〜2日早くなることが期待できます。
ただし、薬の使用が絶対ではありません。お子さんの体力や症状に応じて、医師が一緒に判断していきます。

登園・登校はいつから?

 
インフルエンザでは学校保健安全法に基づき、以下の基準で登園・登校が可能になります。

発症から5日を経過
解熱後2日以上経過(幼児は3日)

「もう元気そうだから大丈夫」と思っても、お子さんの回復ペースを尊重し、無理のない再開を心がけましょう。
焦る気持ちもありますが、「自分でがんばれる」と思えるタイミングこそが大切です。

家庭でできるケアと
声かけのヒント

 

こまめに水分をとる
食欲がなければ無理せず、好きなものを少しずつ
「熱があってつらいね」「よくがんばってるね」と声をかける

 
つらそうなお子さんを前に、親御さんも「何かしてあげなきゃ」と力が入ることがあります。
でも、お子さんにとっては「そばにいてくれること」だけで十分な安心になることもあります。
完璧を目指さなくて大丈夫です。
落ち着いたあなたの姿が、子どもにとっての勇気づけになります。

よくある質問

 
Q. 解熱したら登園・登校してもいいですか?
A. 解熱後2日(幼児は3日)以上経過し、かつ発症から5日経っていれば登校可能です。
体調や疲労の回復具合も見て判断しましょう。
 
Q. 兄弟にうつさないためにできることは?
A. タオルの共有を避ける、マスクの着用、手洗いうがいの励行が有効です。
完全に防ぐことは難しいですが、無理のない範囲で取り組みましょう。
 
Q. 薬は必ず飲んだほうがいい?
A. 抗インフルエンザ薬は、症状の早期改善に役立つことがありますが、必ずしも必要ではありません。
医師と相談して決めましょう。

まとめ 
ご家庭でできることを大切に

 
インフルエンザは、毎年多くのお子さんに流行する病気ですが、落ち着いて対応すれば過剰に怖がる必要はありません。
「つらいね」「がんばってるね」と声をかけながら、お子さん自身が少しずつ回復していく力を信じることも、治療の一部です。
気になる症状があれば、いつでもご相談ください。
 

当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。


【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。