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自傷行為
リストカット・爪をはがす…
その背景にあるこころの叫びとは

「なんでそんなことするの?」と戸惑う前に、知ってほしいことがあります。
「手首にひっかき傷がある」「カッターで自分を傷つけていた」「つめを深くむしる、頭をたたく、壁にぶつける」
こうした“自分を傷つける行為=自傷行為”が、小学生高学年〜高校生でも見られるようになっています。
でもこれは、“死にたい”という気持ちの現れではなく、“つらさをどうにかしたい”というSOSであることがほとんどです。

自傷行為とは?
「死にたい」ではなく
「痛みでつらさを紛らわせたい」

 
自傷とは、自分の体に意図的に傷をつける行動のことで、代表的なものには以下があります:
 

リストカット(手首や腕を切る)
爪をむしる・皮膚をかきむしる
頭を打つ・壁や机にぶつける
火傷・針・ピンなどによる刺激

 
背景にあるのは、多くの場合:
 
抑えきれない怒り・不安・悲しみ
感情を言葉にできない苦しさ
誰にも理解されない孤独感
罪悪感や自己否定、「自分はダメ」という思い
 
自傷は、「つらい気持ちにふたをして何とか生き延びるための方法」として、無意識に選ばれていることがあるのです。

家庭でできる対応
やめさせる」より
「つながり直す」

 

怒らず、責めず、
「見つけたこと」を大事にする

「なんでこんなことするの!」「ふざけてるの?かまってほしいだけ?」…
このような言葉は、子どもの孤独感と自己否定をさらに深めてしまいます。
 
→ 「気づけてよかった」「ちゃんと話してくれてありがとう」
→ 「それだけしんどかったんだね」
 
“否定せずに気持ちを受けとめる”ことが、回復の第一歩です。


自傷をやめるより、
“安心できる場所”をつくる

家庭の中に“安全地帯”を意識的に作る(責められない時間・空間)
睡眠や食事など体のケアを大切にする
話せなくても「そばにいるよ」と伝え続ける

受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です

 
以下のような状況があれば、すぐにご相談ください。
 

自傷行為を繰り返している
リストカットや深爪、頭を打つ行為がみられる
死にたい気持ちや無気力さを伴っている
学校に行けない、眠れない、話せない状態が続いている
保護者の不安・対応の限界が近いと感じている

 
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。

当院からのメッセージ

 
自傷行為は、子どもが限界を超えたサインかもしれません。
でもそこには、「なんとかしてほしい」「助けて」の気持ちが込められています。
私たちは、子ども本人と保護者の両方の不安に寄り添い、必要な支援を一緒に考えるパートナーでありたいと考えています。
オンライン診療・親のみのご相談も可能です。
どうぞ安心してご相談ください。

よくあるご質問

 
Q. 自傷を見つけたら、まずどうすればいいですか?
A. まずは安全の確保と、感情的にならずに「つらかったね」と伝えることが大切です。
その後の支援方針は一緒に考えていけます。
 
Q. 自傷=自殺願望ですか?
A. 多くは「死にたい」ではなく「今のつらさから逃げたい」という意味合いです。
ただし放置すると危険度が高まることもあり、早期の対応が重要です。

 

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【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
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