過敏性腸症候群（IBS）
繰り返す腹痛や下痢は
心と体のSOSかも
「またお腹が痛い」「トイレにこもる」…
それ、こころと体の関係かもしれません。
「朝になるとお腹が痛い」「登校前にトイレに何度も行く」「便秘と下痢をくり返している」「検査では異常なしと言われたけれど、つらそう…」
こうした症状が続く場合、過敏性腸症候群（IBS）の可能性があります。
特に小学生高学年〜高校生で増えており、心の状態と腸の働きが影響し合う“脳腸相関”の不調と考えられています。
過敏性腸症候群とは？
脳と腸のアンバランスが原因に
IBSは、検査では異常が見つからないのに、腸に痛みや不快感がある状態です。
思春期は、脳や自律神経の発達が不安定で、次のような要因が重なると腸が過敏に反応しやすくなります。
| 学校での緊張や人間関係のストレス |
|---|
| 真面目・完璧主義・緊張しやすい性格 |
| 登校しぶり・抑うつ・不安傾向 |
| 睡眠不足・生活リズムの乱れ |
| 食生活の乱れや過敏な腸内環境 |
脳と腸は神経で密接につながっており、緊張するとお腹が痛くなる、というのは自然な反応。
でも、毎日続くと生活にも大きく影響してしまいます。
家庭でできる対応
叱らず、責めず、「安心」を整える
「また？」ではなく
「つらいね」と受け止めて
「さぼってるの？」「学校に行きたくない言い訳では？」と疑ってしまう気持ちもあるかもしれません。
でも、痛みや不快感は“体からの正直な反応”。
「しんどいの、伝えてくれてありがとう」という姿勢が、安心感につながります。
リズムを整える
＋“選べる”時間を増やす
| 朝はゆっくりトイレ時間を確保 |
|---|
| 暖かい飲み物でリラックス |
| 小さな選択（「今日のお昼どうする？」）で自律感を取り戻す |
スマホ・動画・緊張時間の
連続に注意
夜遅くまでのスマホや塾通いなどが重なると、自律神経が常に緊張し、腸の回復が追いつかなくなります。
“ゆるめる時間”を意識して作ることも大切です。
受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です
以下のような症状が2週間以上続く場合は、医療的なサポートをご検討ください。
| 腹痛や下痢・便秘を繰り返している |
|---|
| 登校前や緊張する場面で症状が悪化する |
| 検査では異常なしでも、生活に支障がある |
| 学校に行けない・朝の準備ができない |
| 親子ともに不安・対応に困っている |
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。
当院からのメッセージ
IBSは、「心の問題」と「体の反応」が同時に起きている状態です。
だからこそ、「どこも異常ないのに…」と感じてしまうと、本人の孤独感や自責感が深まってしまいます。
私たちは、身体的ケアと心理的ケアを一体として捉えながらサポートしています。
保護者のみの相談や、オンライン診療も可能です。小さな気づきでも構いません。早めにご相談ください。
よくあるご質問
Q. 検査では異常がないのに、学校を休ませていいのでしょうか？
A. はい。痛みや不快感は実際に存在しており、脳や自律神経の過敏さから起きていることが多くあります。
焦らず、安心できる環境を整えることが大切です。
Q. 子どもが「またトイレ」と言うたびにイライラしてしまいます…
A. 親御さんの負担感もとても自然です。
一人で抱え込まず、ご相談いただくことで対応の幅が広がります。
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