チック症
まばたき・咳払い・首振り…
それ、癖ではなく“チック”かも
「気になる動きが治らない」それはチックの可能性があります。
「まばたきを繰り返す」「咳払いをずっとしている」「首をふる・肩をすくめる」「授業中に変な音を出す」
最初は“癖”のように見える動きでも、無意識に繰り返され、本人がコントロールできない場合、チック症の可能性があります。
特に小学生高学年〜中学生に多く、高校生でも続くケースがあります。

チック症とは?
脳とストレスの影響によって起きる
“こころと体の反応”
チックとは、突発的で繰り返し起こる、本人の意思とは関係のない動きや音声のことです。
種類は以下のように分類されます:
運動チック:まばたき、顔のゆがみ、首ふり、肩すくめなど |
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音声チック:咳払い、鼻鳴らし、うなり声、単語を発する など |
原因は完全には解明されていませんが、脳の神経伝達のアンバランス(ドーパミンの関与)や、ストレス・緊張・疲れが関係していると考えられています。
また、ADHDやASD傾向などの発達特性を持つ子どもにチックがみられることも多いです。
家庭でできる対応
「やめさせよう」としない
ことが最大の支えに
指摘や注意は逆効果に
「またやってるよ」「そんな変な動きやめなさい」…
そんな言葉は、無意識の行動を意識させ、かえって悪化させてしまうことがあります。
チックは“気づいていないとき”のほうが少ないのです。「治すこと」より、「安心できる場所を増やすこと」が大切です。
ストレスの“出し方”を整える
睡眠時間を十分にとる |
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学校や習い事の負担を見直す |
家では好きなことに没頭する時間をつくる |
スマホやゲームの刺激は寝る前に避ける |
家族の対応が“緩衝材”になります
本人が一番「なんとかしたい」と思っているからこそ、責めずに見守ることが、症状の改善につながります。
受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です
以下のような場合は、一度ご相談ください。
チックが数週間〜数ヶ月以上続いている |
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学校や人前でのチックで本人が困っている |
チックに加えて、不安・不登校・イライラ・抑うつがある |
学校や周囲から指摘を受けている |
家庭での対応に限界を感じている |
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。
当院からのメッセージ
チックは、「やめようと思ってもやめられない」
だからこそ、本人が最もつらく、苦しい思いをしていることを理解してあげることが大切です。
私たちは、保護者と本人、両方の気持ちに寄り添いながら、必要に応じた支援をご提案しています。
オンライン診療・親のみのご相談も対応可能です。どうぞ安心してご相談ください。
よくあるご質問
Q. 一時的な“癖”とチックの違いは何ですか?
A. チックは、短期間で消えず、本人が意図せずくり返してしまう動きや音声です。癖は意識してコントロールできるものが多いです。
Q. 治療は必要でしょうか?
A. 多くは自然に軽快しますが、生活に支障がある場合や本人が困っている場合は、薬や環境調整などの対応を検討します。