睡眠障害
寝られない・朝起きられないは
脳とこころのSOS
「夜なかなか眠れない」「朝まったく起きられない」…
それは“怠け”ではありません。
「寝ようとしても、目が冴えて眠れない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝は毎日ぐったりで、学校に行けない」
こうした睡眠の問題は、思春期の脳や体のリズムの乱れから起こることがあります。
特に最近は、小学生高学年から高校生まで、睡眠障害の相談が増えています。

睡眠障害とは?
脳と自律神経の“ズレ”が
引き起こす不調
思春期は、脳の感情系と自律神経のバランスが不安定になりやすい時期。
さらに、以下のような影響が重なると、睡眠リズムが大きく乱れてしまいます。
スマホ・ゲーム・動画の長時間使用 |
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学校や家庭でのストレス・緊張 |
不登校や登校しぶり・学業不安 |
起立性調節障害・発達特性(ASD/ADHD) |
昼夜逆転・休日の寝だめ |
脳が「夜型」に傾いてしまうことで、
夜に眠れない→朝に起きられない→生活に支障が出る
という悪循環に陥ります。
家庭でできる対応
“整える”ことが何よりの薬に
眠れないことを責めない
「早く寝なさい!」「いつまで起きてるの?」では、逆効果に。「寝ようとしてるのに眠れない」状態は、本人がいちばんつらいのです。
スマホ・光・刺激の
コントロール
寝る1時間前からはスマホ・タブレットOFF |
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照明は暖色系で薄暗く |
音楽や深呼吸、アロマなども効果的 |
「眠れる環境」ではなく
「安心できる夜」を
眠る前に、不安やイライラを話せる時間をつくることも効果的です。
「眠れなくても大丈夫だよ」と受け止められると、緊張がほぐれやすくなります。
受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です
以下のような症状が2週間以上続く場合は、医療的なサポートをご検討ください。
寝つきが悪く、毎晩深夜まで起きている |
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夜中の中途覚醒や悪夢が頻繁 |
朝起きられず、学校に行けない・遅刻が増えている |
昼夜逆転が続いている |
睡眠以外にもイライラ・不安・体調不良がある |
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。
当院からのメッセージ
「眠れない」は、心と体のエネルギーが追いついていないサインかもしれません。
そして、「寝なさい」と言われるほど眠れなくなることも、思春期にはよくあることです。
私たちは、無理なく整える方法を、親子に寄り添いながら一緒に考えていきます。
親のみのご相談やオンライン診療も可能です。眠れない夜が続く前に、どうぞ一度ご相談ください。
よくあるご質問
Q. 薬を使わないと眠れないのですか?
A. まずは生活習慣や環境調整を中心に進めます。
必要な場合に限り、年齢や状態に合わせたお薬(漢方や睡眠導入剤)を検討することもあります。
Q. 昼夜逆転になってしまったら、どうすればいいですか?
A. 少しずつ“前倒し”していくことがポイントです。
無理に朝起こすより、夕方の活動を減らし、夜の刺激を減らす方が効果的です。