皮膚の感染症
とびひ・溶連菌・ヘルペスの
見分け方ガイド
「赤くなって広がってきた」「水ぶくれ？かさぶた？」「どれもとびひに見える…」
子どもの皮膚感染症は見た目が似ていて見分けにくいことがよくあります。
ここではとびひ・溶連菌性皮膚炎・単純ヘルペスの特徴と違いを、小児科の視点からわかりやすくまとめました。
症状別 比較表
とびひ
原因菌・ウイルス：黄色ブドウ球菌／溶連菌
症状のはじまり：虫刺され・湿疹・ひっかき傷から
広がり方：かきこわして他の部位へ広がる
全身症状：ほぼなし
かゆみ・痛み：かゆみが強い
診断のポイント：見た目＋ときに皮膚培養
治療：抗菌薬の外用・内服
溶連菌性皮膚炎
原因菌・ウイルス：溶連菌（A群β溶血性）
症状のはじまり：鼻口まわり・手足などに赤くもやっと
広がり方：同時に複数の部位に出ることも
全身症状：発熱・だるさが出ることも
かゆみ・痛み：かゆみ＋ヒリヒリ感
診断のポイント：
のどの迅速検査が必要
治療：
抗生剤の内服が必須
単純ヘルペス
原因菌・ウイルス：単純ヘルペスウイルス（HSV）
症状のはじまり：唇・顔・陰部などに水ぶくれ＋痛み
広がり方：水ぶくれが集まってかさぶたに
全身症状：発熱・ぐったりがあることも
かゆみ・痛み：ピリピリした痛みが特徴
診断のポイント：初感染 or 再発歴があれば疑う
治療：抗ウイルス薬（塗り薬または内服）
当院での対応
| 見た目の症状と経過から診断し、必要に応じて検査 |
|---|
| とびひ：外用薬を中心に、改善がなければ内服追加 |
| 溶連菌：のどの検査を行い、陽性なら抗生剤の内服が必須 |
| ヘルペス：ウイルス性と判断されれば抗ウイルス薬を使用 |
ご家庭で気をつけたいこと
| 皮膚の観察を毎日行い、広がりやジュクジュクがあれば早めに受診 |
|---|
| 患部は清潔に、強く洗わず泡でやさしく洗う |
| タオル・衣類・寝具の共有を避け、兄弟への感染を防ぐ |
こんなときはすぐ受診を
| 症状がどんどん広がっている |
|---|
| 顔・首・陰部など目立つ場所に水ぶくれがある |
| 発熱・ぐったり・口の中の痛みがある |
| 治療を始めても改善が乏しい |
皮膚の水ぶくれ・赤み・かゆみが気になる場合は、お早めにご相談ください
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【この記事の監修・執筆】
アイキッズクリニック
院長 会津 研二（小児科専門医）
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
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