イライラ・暴言
感情の爆発はこころのSOSかも
「すぐキレる」「暴言が止まらない」…
その裏にある“感じすぎる心”「ちょっとした注意で怒鳴る」「親に対して暴言や乱暴な態度が増えてきた」「学校では我慢できているのに、家で爆発する」思春期のイライラや暴言は、親子関係が悪いからでも、育て方の問題でもありません。
それは、感情をうまく扱えない“こころのエネルギー不足”のサインかもしれません。

なぜイライラしやすくなるの?
脳と感情コントロールの未成熟さ
思春期は、「感情を感じる脳」が先に成長し、「理性で調整する脳」がまだ未熟な時期。
この発達のアンバランスさにより、以下のような反応が出やすくなります。
感情が爆発しやすい |
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怒りのコントロールが難しい |
落ち着く方法がわからない |
家庭内の緊張や親とのすれ違い |
言葉でうまく説明できず、攻撃的になる |
さらに次のような要因が重なると、イライラや暴言として現れることがあります。
学校や友人関係のストレス |
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家庭内の緊張感やプレッシャー |
自己否定感・劣等感 |
スマホ依存や昼夜逆転 |
ADHD、ASDなどの神経発達特性 |
家庭でできる対応
“反応”より“背景”に目を向ける
怒っているときに
正面からぶつからない
怒りのエネルギーがピークのときは、言葉では届きません。
安全を確保しつつ、少し距離をとって静かに見守ることも必要です。
感情の裏にある
「困っている気持ち」に寄り添う
怒りの背景には、不安・焦り・孤独・疲れが隠れていることがよくあります。
落ち着いたタイミングで「しんどいことあった?」「最近どう?」と声をかけてみてください。
家の中が
“安心できる場所”になるように
毎日のように怒られる、否定される場所では、子どもは余計に荒れてしまいます。
できているところを見つけて伝えることも、心の安定につながります。
受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です
次のような状態が見られる場合は、一度専門家にご相談ください。
暴言・暴力がエスカレートしてきた |
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イライラが続き、家庭内で安心して過ごせない |
学校や社会生活でもトラブルが増えてきた |
眠れない・食べられない・元気がない様子もある |
親御さんが限界を感じている |
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。
当院からのメッセージ
イライラや暴言は、「この子は困った子」ではなく、「今、困っている子」のサインです。
一番近くにいる親御さんも、深く悩み、心が折れそうになることと思います。
私たちは、子どもの感情と親の困りごと、どちらにも丁寧に寄り添うサポートを行っています。
オンライン診療・親のみのご相談も対応可能です。少しでも不安を感じたら、どうぞご相談ください。
よくあるご質問
Q. 家でだけ荒れるのは、わがままなんでしょうか?
A. 外で頑張って抑えているぶん、安心できる場所で感情が出ていることがあります。
「甘え」とは異なり、“疲れた心の放電”と考えてください。
Q. 叱らなければ言うことを聞かない気がして不安です。
A. 境界線は大切ですが、「叱る」より「整える」方が長期的には信頼関係につながります。
対応は一緒に考えていけますので、ご相談ください。