乳児脂漏性湿疹
頭皮や顔のかさぶた・赤み

「赤ちゃんの眉や頭皮に黄色いかさぶた」「ほっぺが赤くて心配」
そんな症状は乳児脂漏性湿疹（にゅうじしろうせいしっしん）かもしれません。
この記事では、原因と洗い方・スキンケアをやさしくご紹介します。

乳児脂漏性湿疹とは？

生後2週間〜3か月ごろに見られる、皮脂分泌の多い赤ちゃんに多い湿疹です。これは胎盤を通じて移行した母体由来のホルモン（アンドロゲン）の影響で、赤ちゃんの皮脂腺が一時的に活性化されることが原因と考えられています。その結果、顔や頭皮に赤み・かさぶた・フケのようなものが出ます。

一方で、生後3〜6か月ごろを過ぎてくると、母体ホルモンの影響がなくなり、皮脂分泌が減少してきます。
この時期からは乾燥肌にシフトしやすくなり、もともと乾燥肌体質のお子さんでは、バリア機能が低下し、さまざまな刺激に反応して湿疹が出やすくなることがあります。

さらに、乾燥肌体質のお子さんはもともと皮膚のバリア機能が弱いため、アトピー性皮膚炎に移行するリスクが高いといわれています。そのため、赤ちゃんの時期から保湿を中心としたスキンケアを継続することがとても大切です。

よく見られる部位

眉毛のまわりの黄色いかさぶた
頭皮のべたつき・フケ・皮むけ
耳の裏の赤みやじくじく
頬・額・あごなどの赤いプツプツ

家庭でのケア
（基本は洗浄と保湿）

皮脂やかさぶたは無理に取らず、泡立てた石けんでやさしく洗う
清潔に保ち、入浴後は保湿（ベビーローションやワセリン）
洗いすぎやゴシゴシこするのは逆効果なので注意

治療が必要な場合

赤みが強い・かゆみがある・じゅくじゅくしている場合はご相談ください
症状に応じて弱いステロイド外用薬や抗真菌薬を短期間使用します
保湿剤との併用でバリア機能を高めます

よくある質問

Q. いつまで続きますか？
A. 一般には生後2～3か月頃にピークとなり、6か月頃までに自然に軽快することが多いです。

Q. アトピーとは違うの？
A. はい、皮脂の多い時期特有の湿疹で、アトピーとは異なります。
ただし、乾燥肌体質のお子さんはバリア機能が弱く、アトピー性皮膚炎に移行するリスクも高いため、スキンケアの継続が重要です。

Q. かさぶたは取ったほうがいい？
A. 無理に取らず、ぬるま湯でふやかし、やさしく洗う程度で十分です。