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発作・過呼吸
“急に苦しくなる”は
心と体のSOSかも

「急に息ができない」「倒れそうなほど不安」…
それは体からの“こころの悲鳴”かもしれません「息が苦しい、吸えない」「手足がしびれて動かなくなる」「動悸がして倒れそうになる」
こうした症状が突然起こり、救急や学校で対応に困るケースが増えています。
原因がはっきりしない身体症状=“パニック発作”や“過呼吸”の可能性があります。
特に小学生高学年〜高校生の思春期に多く、脳と自律神経の反応として起きているのです。

パニック発作・過呼吸とは?
“体”の症状に見える“心”の反応

 
パニック発作とは、突然強い不安感とともに身体症状が現れる状態のことです。
主な症状には:
 

息苦しさ・過呼吸(呼吸が浅く早くなる
動悸・胸の締めつけ感
めまい・ふらつき・しびれ
汗・手足の冷え・吐き気
「このまま死ぬのでは」という強い恐怖感

 
これらは、自律神経(交感神経)が急激に活性化してしまうことによる、体の“過剰な防御反応”です。
思春期の子どもたちは、脳が不安に敏感になりやすく、自律神経の調整が未熟なため、こうした反応が起こりやすいのです。

家庭でできる対応
「落ち着かせよう」とする前に、
安心の土台を

 

「どうしたの?」より
「そばにいるよ」で安心を

発作中に「深呼吸して」「大丈夫?」と話しかけすぎると、逆に焦りを強めてしまうことがあります。
 
→ 「急がなくていいよ」「大丈夫、すぐそばにいるよ」
→ 落ち着いたトーンと短い言葉で“安心感”を伝えることが最優先です。


発作を“思い出して”
不安になる子もいます

 
発作があったあと、「また起きたらどうしよう」という予期不安が続くことがあります。

発作が起きた場所や時間帯を避けようとする
ひとりで外出できなくなる
学校やバスに乗れない、不登校につながる

 
“症状そのもの”より、“起きるかもしれない不安”がつらくなるのです。

家庭でできる対応
「やめさせる」より
「安心できる言葉」を

 

否定せず、
「不安だったんだね」
と共感する

「また?」「なんでそんなことするの!」はNG。
本人がいちばん困っていて、やめたくてもやめられないのです。
 
 
→ 「不安だったんだね」
→ 「安心したくて確認したんだよね」
こうした言葉が、“責められない場所”としての家庭をつくります。

一緒に“減らせること”を探す

今日は2回の確認でやめてみようか
1人では不安なら、いっしょにチェックしてみようか
→ 少しずつ“安心の量”を減らしていく声かけをしていきましょう。

受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です

 
次のような状態が続いている場合は、医療的な対応をおすすめします。
 

息ができない/動悸・しびれなどが繰り返し起きる
夜間や学校で突然体調が悪くなる
「また起きたらどうしよう」と強く不安を感じている
登校や外出が難しくなってきた
保護者の対応に限界を感じている

 
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。

当院からのメッセージ

 
突然息ができない」「動悸がして死ぬかと思った」
それは子どもが“命の危険”を感じるほどの強い不安やストレスにさらされていたサインかもしれません。
 
私たちは、そうしたサインにいち早く気づいてくれた保護者の気持ちにも寄り添いながら、回復への道筋をご提案します。
オンライン診療・親のみのご相談も可能です。
いつでも安心してご相談ください。

よくあるご質問

 
Q. 過呼吸になったら、紙袋を使えばいいですか?
A. 昔は有効とされていましたが、今は推奨されていません。
そばで落ち着いて見守るだけで、自然に改善することが多いです。
 
Q. 心の問題なら、病院ではなく学校で様子を見たほうがいいですか?
A. パニックや過呼吸は、心と体がつながって起きている反応です。
医療の視点で一度整理することで、学校ともよりよい連携がとれるようになります。

 

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【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
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