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希死念慮“死にたい”気持ち
こころのエネルギーが足りないサインかも

「死にたい」「消えたい」…
思春期の子どもが口にするその言葉を、どう受けとめればいいのか「死にたい」と急に言い出した「いなくなった方がいい」とつぶやいている「将来に希望がない」「どうせ自分なんか」と話すこのような言葉に驚き、どう反応していいかわからず戸惑っている保護者の方も多いと思います。
これは“死にたい”=本当に命を絶ちたいという意味とは限らず、「今のつらさから逃げたい」という心の悲鳴かもしれません。

希死念慮とは?
死にたい、消えてしまいたい、今がつらすぎる

 
希死念慮(きしねんりょ)とは、「死にたい」「生きていたくない」と感じるこころの状態を指します。
それは以下のような背景から生まれやすくなります。
 

学校・友人関係のストレスや孤立
SNSでの比較・トラブル・誹謗中傷
学力や進路へのプレッシャー
抑うつ・不安・自己肯定感の低さ
発達特性による「わかってもらえない」苦しさ
 

 
思春期は、感情が強く揺れ動く一方で、それを整理し支える力が未成熟な時期です。
「死にたい」は、「つらい」「助けてほしい」の別の言い方かもしれません。

家庭でできる対応
「止める」より「受け止める」が回復の第一歩

 

否定せず、「つらかったね」と共感する

「死にたいなんて言わないの」「そんなこと考えちゃダメ」では、“気持ちすら受け止めてもらえない”という孤立感を深めてしまいます。
 
→ 「そこまでつらかったんだね」
→ 「そう思っても大丈夫、ちゃんと話してくれてありがとう」
この“存在ごと受けとめる言葉”が、安心につながります。


「原因探し」より
「一緒にいること」を優先に

「いじめ?勉強?家のこと?」と焦って理由を探すより、ただ一緒に静かに過ごす時間が、心を守る空間になります。


 毎日の生活リズムをそっと支える

睡眠・食事・スマホ時間の見直し
お風呂・散歩・好きなものを感じられる時間を大切に             → 体の回復が、こころの回復につながることも多くあります

受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です

 
以下のような様子がある場合は、迷わずご相談ください。
 

「死にたい」「消えたい」と何度も言う
涙・無気力・登校拒否が続いている
食事や睡眠が極端に減っている
自傷行為(リストカット・爪をはがす・頭を打つなど)がある
家庭での対応が限界に近い

 
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。

当院からのメッセージ

 
「死にたい」と言う子どもたちは、本当に“死にたい”というより、“今のつらさから逃れたい”と思っていることがほとんどです。
それを誰にも言えず、苦しみ続けている状態こそが、命の危険に近づいてしまうものです。
私たちは、子どもと保護者が安心して相談できる場所でありたいと考えています。
オンライン診療・保護者のみのご相談も可能です。
どうぞ、どんな状態でも構いません。まずはご相談ください。

よくあるご質問

 
Q. 死にたいと言っても、本気ではないと思うのですが…
A. 本気かどうかにかかわらず、「今、つらい」のは本当です。“気持ちを話してくれた”こと自体が、回復のきっかけになると考えましょう。
 
Q. すぐ病院に連れていくべきですか?
A. ご本人が受診を拒否している場合は、保護者の方だけでのご相談からスタートできます。「無理に連れていく」より、「まず親が落ち着く」ことが大切なこともあります。

 

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【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
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