ゲーム依存
やめられないのは“こころの疲れ”かも
「ゲームばかりで勉強しない」「注意すると暴れる」
それ、本当に“甘え”でしょうか?
「1時間の約束が守れない」「ゲームを取り上げると大声で怒る」「夜中までスマホでゲーム、翌朝起きられない」
こんなふうにゲーム中心の生活になっている状態が、“ゲーム依存”です。
単なる遊びすぎではなく、脳の仕組みやこころの疲労、環境ストレスが背景にあるケースが多く見られます。
近年は、小学生高学年から高校生まで幅広い年代で増加傾向にあります。

なぜゲームをやめられなくなるの?
脳の発達と快楽刺激の影響
ゲームやスマホアプリは、脳の「報酬系」と呼ばれる快楽のしくみを強く刺激します。
思春期の脳はまだ発達の途中で、「もっとやりたい」という衝動を抑える前頭前野の働きが未熟です。
また、次のような背景があると、ゲームへの依存度が高まりやすくなります
学校・家庭でのストレスや孤独感 |
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現実での達成感や成功体験の少なさ |
自己肯定感の低下や不安 |
昼夜逆転、睡眠不足 |
ADHD・ASD傾向などの神経発達特性 |
「ゲームに逃げている」のではなく、“そこでしか安心できない”状態になっているのです。
家庭でできる対応
“取り上げる”よりも“整える”
一方的な制限は
逆効果になることも
「やめなさい!」「ルールを守らないなら禁止!」…
気持ちはわかりますが、それでは子どもとの信頼関係を壊してしまうこともあります。
自分で決められる
“小さな選択”を一緒に作る
「1時間の中でどのゲームをやる?」「21時には充電ステーションに置く?」…
本人が関われるルールづくりが、依存からの回復につながります。
ゲームの“代わり”になる
時間を用意する
リラックスできる場所・一緒に散歩する・興味のあることを試す…
ゲーム以外にも「安心できる時間」を増やしていくことが大切です。
受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です
以下のような状態が続いている場合は、一度ご相談ください。
ゲームの時間をコントロールできない |
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生活リズムが崩れ、登校や勉強に影響が出ている |
イライラや暴言・暴力が増えてきた |
家族との関係が悪化している |
「このままで大丈夫か」と親御さんが不安を感じている |
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。
当院からのメッセージ
ゲームをやめられないことで、本人も「このままでいいのかな…」と感じていることが多くあります。
でも、それをうまく言葉にできず、ただ怒られる日々が続いてしまうことも。
子どもが「安心して自分を立て直せる場所」を一緒に作っていくことが、回復への第一歩です。
保護者の方だけのご相談や、オンライン診療も可能です。
「ちょっと気になる」という段階から、お気軽にご相談ください。
よくあるご質問
Q. 「勉強しないならゲーム禁止!」は間違いですか?
A. 制限自体が悪いわけではありませんが、子どもが“納得できる”関わり方が大切です。
一緒に考える形をとると反発も減りやすくなります。
Q. ゲームがやめられないのは、病気ですか?
A. 必ずしも病気ではありませんが、依存状態はこころのバランスの乱れのサインです。
医師や専門家と一緒に整えていくことが有効です。