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自己肯定感の低さ
自信がもてない子どもにできること

「自分なんて…」とつぶやく子どもが増えています。
「ちょっと失敗すると、すぐに“どうせダメだし”と落ち込む」「人と比べてばかりで、自分に自信がもてない」「褒めても“そんなことない”と否定してしまう」
こうした傾向は、思春期の子どもたちにとても多く見られる心の状態=“自己肯定感の低さ”です。
とくに小学生高学年から高校生にかけて、心が大きく揺れやすく、自分を「肯定する力」が不安定になる時期でもあります。

なぜ思春期は自己肯定感が下がりやすいのか?
“感じる脳”の急成長と未熟なコントロール

 
思春期は、感情を感じる脳(扁桃体)が急激に発達し、自分を客観視したり整えたりする脳(前頭前野)はゆっくり育つ途中。
このため、次のようなことが起こりやすくなります。 
 

他人の評価に敏感になる
自分のダメな部分ばかりに目が向く
ひとつの失敗で「全部ダメ」と思ってしまう
SNSや成績など、比べる対象が多くなる

 
また、発達特性(ASD・ADHD)や学校でのつまずき、不登校・抑うつ状態などが重なると、自信の喪失から回復しづらくなることもあります。

家庭でできる関わり方
“評価”より“存在”に注目を

 

「すごいね」より
「うれしいよ」「いてくれて安心」を

子どもは、“条件つきの褒め言葉”より、“あなたが大事”という存在そのものへのメッセージで心が安定します。
 
例:
✖「100点なんてすごいね!」
〇「がんばってたね」「結果より、チャレンジしてたのが伝わったよ」


「失敗OK」の雰囲気を家庭に

うまくいかないこともあると大人も言葉に出す
完璧でなくてもいいという安心感を伝える
「こうあるべき」より「今の気持ち」を聞く

「自分で決められること」を1日1つ

「今日のおやつどれにする?」「制服にする?私服にする?」など、自分で選んでOKな場面を増やすことで“自分は大丈夫”という実感を積み重ねられます。

受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です

 
以下のような様子がある場合は、早めにご相談ください。
 

すぐ「どうせ無理」「自分なんて」と言う
他人と比べて落ち込みやすい
褒められても受け取らず、自分を否定する
不登校や気分の落ち込み、スマホ依存も見られる
保護者の関わりに限界を感じている

 
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。

当院からのメッセージ

 
自己肯定感が低い子どもたちは、「本当は自信を持ちたいのに、持てない自分に苦しんでいる」ことが多くあります。
そして、親の励ましすら受け取れないほど疲れていることもあります。
私たちは、子どもと保護者、両方の心が軽くなるような関わりを大切にしています。
親のみのご相談・オンライン診療も可能です。どうぞ安心してご相談ください。

よくあるご質問

 
Q. 自信を持たせるには、どう褒めればいいですか?
A. 「できたこと」より、「取り組んだこと」や「気持ち」に注目して声をかけてください。
評価ではなく共感が効果的です。
 
Q. 些細なことで「死にたい」と言うことがあります。
A. それは自己否定感が限界まで高まっているサインです。
受診や支援につなげて、安心して話せる場所を作ることが大切です。

 

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【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
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