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強迫症状
確認がやめられない
手洗いが止まらない
子どもたちへ

「何度も確認してしまう」「手を洗いすぎて手が荒れている」…
それは“脳の誤作動”かもしれません。
「鍵を閉めたか不安で何度も戻る」「宿題や持ち物を何度も見直してしまう」「手洗いがやめられず、皮膚が荒れている」「左右をぴったり揃えないと気がすまない」
こうした様子は、“強迫症状(強迫性障害の一部)”と呼ばれる状態かもしれません。
小学生高学年〜高校生の思春期の子どもたちに多くみられ、“やめたくてもやめられない”こころのクセとして現れます。

強迫症状とは?
“不安を鎮めるためのくり返し行動”

 
強迫症状は、「もし○○だったらどうしよう」という**強い不安(強迫観念)に襲われ、それを落ち着けるために同じ行動(強迫行為)**を繰り返してしまう状態です。
よくある例:

【確認型】鍵・宿題・提出物を何度も確認してしまう
【清潔型】何度も手を洗う/ドアノブを触れない
【儀式型】左右を揃える/言葉を心の中で何度も唱える
【思考型】「この考えが頭に浮かんでしまうのはよくない」と苦しむ

 
これらは、理性では「やめたい」と思っているのに、脳が誤作動して“やらないと不安で仕方がない”と感じてしまう状態です。

思春期に強迫症状が出やすい理由
“不安に敏感な脳”の影響

 
思春期は、不安を察知する脳の領域が発達し、整理する機能がまだ未熟な時期。
また、以下のような状況で強迫症状が強くなりやすくなります
 

真面目で完璧主義な性格
失敗や評価への過剰な不安
進級・進学などの環境変化
学校・家庭・SNSでのストレス
発達特性(ASD、ADHD)のある子どもにも多くみられます

家庭でできる対応
「やめさせる」より
「安心できる言葉」を

 

否定せず、
「不安だったんだね」
と共感する

「また?」「なんでそんなことするの!」はNG。
本人がいちばん困っていて、やめたくてもやめられないのです。
 
 
→ 「不安だったんだね」
→ 「安心したくて確認したんだよね」
こうした言葉が、“責められない場所”としての家庭をつくります。

一緒に“減らせること”を探す

今日は2回の確認でやめてみようか
1人では不安なら、いっしょにチェックしてみようか
→ 少しずつ“安心の量”を減らしていく声かけをしていきましょう。

受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です

 
以下のような場合は、医療機関への相談をおすすめします。
 

同じ確認や手洗いを何度も繰り返してしまう
日常生活や学校生活に支障が出てきている
本人が「やめたいのにやめられない」と苦しんでいる
寝る時間が遅くなったり、登校が困難になってきている
保護者の対応に限界を感じている

 
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。

当院からのメッセージ

 
強迫症状は、「その行動がしたい」のではなく、「不安を和らげたい」だけなのです。
でも、毎日続くと子ども自身がとても疲れ、「誰にもわかってもらえない」と孤立しがちです。
 
私たちは、その気持ちに寄り添い、親子で安心できる関係を築き直すサポートを大切にしています。
オンライン診療・親のみのご相談も可能です。
どうぞ気軽にご相談ください。

よくあるご質問

 
Q. 儀式のような行動をやめさせてもいいですか?
A. 無理にやめさせると、不安が爆発し、症状が悪化することもあります。
まずは医師と相談しながら、安全なステップで整えていくことが大切です。
 
Q. 強迫性障害は薬で治りますか?
A. 薬が必要になるケースもありますが、まずは生活調整・本人の理解・親の関わり方を整えることが優先です。

 

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【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
お気軽にご相談ください。