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子どものRSウイルス感染症
咳や熱がつらそうなときは?

 
乳幼児に多いRSウイルス。
高熱や咳が続くと、「これって普通の風邪?」「病院に行くべき?」と悩むこともありますよね。
この記事では、RSウイルスの特徴、受診の目安、家庭でのケアをやさしく解説します。
保護者の不安に寄り添いながら、子どものペースを大切にする関わり方も紹介します。

 RSウイルスとは?

 
RSウイルスは、主に乳幼児がかかる呼吸器のウイルス感染症です。
生後6ヶ月〜2歳ごろによく見られ、年齢が低いほど症状が重くなる傾向があります。

主な症状

 

38℃以上の高熱
咳、鼻水、くしゃみ
ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)
哺乳力・食欲の低下、機嫌の悪さ

 
小学生以上になると軽い咳や鼻水だけで終わることが多く、年齢によって症状の出方が異なります。

診断と治療

当院では、RSウイルス抗原迅速検査を行っており、その場で診断が可能です。
RSウイルスには特効薬はなく、免疫の力で1〜2週間かけて回復していきます。
 

二次感染に注意

RSウイルスによって免疫力が低下すると、中耳炎や肺炎などの細菌感染が起こることも<あります。その場合は、抗生剤が必要になることがあります。

家庭でできるケアと声かけ

おうちでできることは、しっかり休養させ、回復する力を信じて待つことです

こまめな水分補給(授乳や経口補水など)
加湿や抱っこで呼吸を楽に
咳き込むときは姿勢を変えて様子を見る
「咳が続いてつらいね」「よく頑張ってるね」と声をかける

 
小さな子どもにとって、「つらい」「苦しい」と言葉で伝えるのはむずかしいこともあります。
だからこそ、様子を見ながら受け止めてくれる人の存在が、何よりの安心になります。
焦らず、休むことを選べる環境が、回復の近道になります。

喘息のお子さんはご注意を

RSウイルスは、喘息を持つお子さんでは症状が強く出ることがあります。
呼吸が苦しそう・眠れないなどの様子があれば、早めに受診をご検討ください。
 

登園・登校の目安

 
熱が下がって元気が戻ってからが登園・登校の目安です。
周囲への感染予防のためにも、「もう行けるかな?」という気持ちを待ってあげる姿勢が大切です。

よくある質問

 
Q. 高熱が3日以上続いています。受診すべきですか?
A. はい。RSウイルスにかかると、熱が3〜5日続くことがありますが、呼吸の様子や水分摂取が難しいときは早めの受診をおすすめします。
 
Q. きょうだいにうつる可能性はありますか?
A. あります。特に赤ちゃんや未就学児には注意が必要です。
手洗い・マスク・タオルの共有を避けるなどの対策が効果的です。
 
Q. 咳が長引く場合はどうすれば?
A. 咳だけが続くケースもあります。
夜間の咳・呼吸困難・眠れないなどがある場合は再度ご相談ください。

まとめ 
子どもの呼吸を見守りながら、
安心できる時間を

 
RSウイルスは、時間とともに回復する感染症ですが、咳が長く続いたり、苦しそうに見えるときにはとても心配になりますよね。
でも、お子さんが「休んでいい」「つらいときは伝えてもいい」と感じられる環境こそが、何よりの回復支援になります。
ご家族の見守りとやさしい声かけが、お子さんの呼吸を少し楽にしてくれるかもしれません。


当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。


【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。