脂漏性皮膚炎
中高生のフケ・かゆみ対策
「フケが急に増えた」「眉毛や鼻の周りが赤くカサカサする」「頭をかゆがって掻きむしっている」
そんなお悩みを、思春期の子どもたちからよく聞きます。
もしかするとそれは、“脂漏性皮膚炎”という皮膚の炎症かもしれません。
皮膚トラブルが続くと、見た目が気になって自信をなくしたり、登校や友達関係に影響が出たりすることも。
思春期は心も身体もゆらぎやすい時期だからこそ、早めのケアが大切です。

脂漏性皮膚炎とは?
脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い部分に起こる慢性的な炎症性疾患です。赤み・かさつき・フケ・かゆみなどがみられ、以下のような場所によく出ます。
頭皮(フケやかゆみ、掻き傷) |
---|
額・鼻のわき・眉毛・耳のまわり(赤み、皮むけ) |
胸・背中・わきの下など皮脂の多い場所 |
原因
皮脂の過剰分泌(ホルモン変化、思春期に多い) |
---|
マラセチアという常在菌の増殖 |
ストレスや疲労、生活リズムの乱れ |
シャンプー不足や洗いすぎ |
家庭でできる予防とケア
脂漏性皮膚炎は、生活習慣やスキンケアの見直しで改善することもあります。
洗顔・洗髪は1日1回、泡でやさしく(ゴシゴシ洗いは逆効果) |
---|
洗い残しがないようにしっかりすすぐ |
髪は自然乾燥ではなくドライヤーで乾かす |
整髪料や刺激の強いシャンプーは控える |
疲れやストレスをためないように(睡眠・食事・スマホ時間の見直し) |
症状がひどい場合は、医療用の抗真菌薬入りの外用薬やシャンプー、ステロイド外用薬を使うことで早期に改善します。
受診の目安
以下のような場合は、一度ご相談ください。
かゆみやフケが強く、日常生活に支障がある |
---|
洗っても赤み・皮むけが続く |
ニキビと合併して悪化している |
精神的なストレスや不登校につながっている |
よくあるご質問
Q. 思春期のニキビとどう違うの?
A. ニキビは毛穴がつまって炎症を起こすのに対し、脂漏性皮膚炎は皮脂による刺激と真菌の関与で起こります。
併発することもあり、見極めが重要です。
Q. 大人になっても治りませんか?
A. 思春期に多く見られますが、大人でもストレスや睡眠不足などで悪化することがあります。継続的なケアが大切です。
Q. 市販のシャンプーで治りますか?
A. 軽症であれば対応できることもありますが、悪化している場合は医療用の抗真菌薬入りシャンプーが効果的です。
【この記事の監修・執筆】
アイキッズクリニック
院長 会津 研二(小児科専門医)
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。
お気軽にご相談ください。