中耳炎や副鼻腔炎を繰り返す子どもへ
原因と対策、家庭でできること
「風邪のたびに中耳炎になる」「鼻水が続くといつも副鼻腔炎に…」そんなお悩みはありませんか?
今回は、中耳炎・副鼻腔炎を繰り返す理由と、予防・ケアのポイントを小児科医が解説します。

なぜ繰り返すの?
体のしくみと生活の影響
子どもの耳管や副鼻腔はまだ狭く、詰まりやすい |
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風邪による鼻水がうまく出せず、奥にたまる |
アレルギー性鼻炎が土台にある |
保育園・幼稚園など集団生活で感染の機会が多い< |
こうした要因が重なることで、鼻〜耳・副鼻腔への炎症が繰り返されやすくなります。
どんな症状があれば注意?
熱はないのに鼻水・咳が2週間以上続く |
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耳の痛みや耳だれを繰り返す |
声がこもる・鼻声が続く |
集中力の低下・睡眠の質の低下 |
家庭でできる予防とケア
鼻水をためない工夫(こまめにかむ・吸う・加湿) |
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アレルゲンの対策(ダニ・ハウスダストなど) |
「よく気づいたね」「鼻、ちゃんとかめたね」などの声かけで習慣化を応援 |
繰り返す症状に対して、「またか…」と親が焦ったり心配しすぎると、子どもも不安になります。
まずは「こういう時期もある」と見守る姿勢が、安心と自信につながります。
こんな時はご相談を
抗生剤を何度も使っているが改善しない |
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症状が慢性化している気がする |
耳鼻科との併診が必要か迷っている |
当院では多項目PCR検査による感染原因の確認や、必要に応じて耳鼻科への紹介も行っています。
よくある質問
Q. 抗生剤を使ってもすぐにまた再発します…
A. アレルギー性鼻炎や生活習慣が背景にあると、根本的な対策が必要なこともあります。
Q. 鼻吸いって何歳までやってあげたほうがいい?
A. 3〜4歳でもまだ自分で十分にかめないこともあります。無理せず、苦しくない範囲でサポートを。
Q. 耳鼻科と小児科、どちらに行けばいい?
A. 急な発熱や咳など風邪症状があるときはまず小児科へ。必要に応じて耳鼻科と連携いたします。
当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。
【この記事の監修・執筆】
アイキッズクリニック
院長 会津 研二(小児科専門医)
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。