子どものコロナ感染症急性症状
後遺症・気になる長引く症状まで
「熱は下がったけど、だるさが残る」「学校に行く元気が戻らない」…
子どもの新型コロナ感染症では、急性期だけでなく、回復後の体調不良(いわゆる後遺症)についてもご相談が増えています。
今回は、小児科医が急性期〜慢性症状までをわかりやすく解説します。
急性期の主な症状
(オミクロン株以降)
発熱(38〜39℃台) |
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のどの痛み・咳・鼻水 |
頭痛・全身の倦怠感 |
一部では下痢や吐き気 |
多くの場合は3〜5日で回復しますが、高熱が続く場合や、ぐったりしているときは早めの受診が必要です。
回復後に見られる
「なんとなく不調」
微熱・頭痛・だるさ |
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朝起きられない・疲れやすい |
集中力の低下・気分の落ち込み |
「コロナのあとから調子が戻らない」という訴え |
これらは「子どもの後遺症(ロングCOVID)」と呼ばれることもあり、心身のバランスが崩れているサインかもしれません。
長引く症状の背景にあるもの
当院では、レントゲン検査は実施しておりません。
以下のような検査を組み合わせて、肺炎の原因や重症度を評価します。
当院で行なっている検査
末梢血検査(白血球数・CRPなどの炎症マーカー) |
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肺炎球菌抗原迅速検査 |
多項目同時PCR検査(マイコプラズマ・百日咳など15種類のウイルス・細菌を検出) |
迅速検査だけでは分からない感染症にも対応できるよう、正確な診断と最適な治療を心がけています。
治療法
【ウイルス性肺炎】
特効薬はありませんが、咳や熱を和らげる薬で快適に過ごせるようサポートします。
【細菌性肺炎】
感染の原因となる菌に合わせて、抗生剤を処方します。多くの場合、飲み薬で治療可能であり、入院を必要とすることは稀です。
家庭でできるケアと声かけ
無理に食べさせず、水分補給を最優先 |
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夜間の咳が強いときは、加湿・上体を少し起こす工夫を |
「咳が続いてつらいよね」「よく頑張ってるね」と、今の姿を認める言葉かけ |
「肺炎」という言葉に驚いてしまうのは当然のこと。でも、お子さん自身が今、つらい」と感じていることを受け止めることが、もっとも大きな安心につながります。
受診の目安
咳が2週間以上続いている |
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高熱が3日以上続く |
ゼーゼー・呼吸が苦しそう |
食事も水分もとれず、ぐったりしている |
登園・登校の目安
よくある質問
Q. 肺炎と診断されたら、入院が必要ですか?
A. 多くの場合は内服薬で改善が見込める軽症の肺炎です。重度の場合は入院も検討します。
Q.マイコプラズマはどうやって調べるの?
A.当院では迅速検査ではなく、15項目の同時PCR検査でマイコプラズマや百日咳なども正確に調べられます。
Q.レントゲンがないけど大丈夫ですか?
A.はい。血液検査や症状の経過、PCR検査などを組み合わせて診断しています。必要に応じて紹介も可能です。
当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。