思春期の繰り返す扁桃炎・溶連菌感染
原因と対応のヒント
「またのどが痛い」「月に何度も扁桃炎に」…思春期になると、風邪のたびにのどの痛みを訴える子が増えてきます。
今回は、思春期に多い扁桃炎や溶連菌感染の背景と対策について、小児科医がご紹介します。

なぜ思春期に
扁桃炎・溶連菌が増える?
学業や部活で疲労がたまりやすい |
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睡眠不足や生活リズムの乱れ |
人との接触機会が増える(学校・塾・部活動) |
成長期の免疫バランスの変化 |
こうした要因が重なると、のどの粘膜が荒れやすくなり、細菌感染を繰り返しやすくなります。
こんな症状があれば要注意
発熱とともにのどの強い痛みが何度も起こる |
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口を開けると白い膿が見える |
全身がだるく、関節が痛む |
溶連菌検査で陽性になったことが何度もある |
繰り返す場合の対応
抗生剤は医師の指示どおり、最後まで内服 |
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家族内感染に注意(同居家族の検査も検討) |
疲労・睡眠不足をためない生活の見直し |
頻回の場合は、耳鼻科での扁桃摘出の相談が必要になることも |
家庭でできるケアと関わり方
「また?」と責めず、「つらいね」と共感を |
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栄養・睡眠・ストレスケアを意識して支える |
無理に登校を促さず、体と心の回復を優先 |
何度も病気を繰り返すと、本人も「また迷惑をかける」と感じがちです。本人の意志や気持ちに寄り添う関わりが、安心感や自信につながります。
ご相談のタイミング
月1回以上、強いのどの痛みや発熱がある |
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何度も溶連菌感染を繰り返す |
だるさ・倦怠感が長引いている |
気分の落ち込みや登校のしぶりがみられる |
思春期の身体の変化と心のストレスは、感染症の形で現れることもあります。当院では、思春期外来で体と心の両面からサポートを行っています。
当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。
【この記事の監修・執筆】
アイキッズクリニック
院長 会津 研二(小児科専門医)
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。