・・・ TOP > 発熱・感染症 > その他の感染症 > 手足口病 ・・・

手足口病
発疹・食べない・登園の目安

 
「手や足にブツブツが…」「口の中が痛いみたいでごはんを食べたがらない」そんなとき、夏に流行する手足口病かもしれません。
この記事では、手足口病の症状、受診の目安、家庭でできるケアをやさしく解説します。
お子さんの気持ちやペースを大切にした関わり方もご紹介しています。

 手足口病とは?

 
手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによるウイルス感染症で、乳幼児〜小学生に多くみられます。
夏に流行しやすく、軽い症状からつらい痛みを伴うケースまでさまざまです。

主な症状

 

手のひら・足の裏・口の中に小さな発疹や水ぶくれ
口内炎による痛み(食べたがらない、よだれが増える)
微熱〜高熱(熱が出ないことも多い)
機嫌が悪い・眠りが浅い

 
見た目にびっくりすることもありますが、発疹は数日で自然に治ります。
ただし、口の中の痛みは強く、食事や水分がとれなくなることがあるため注意が必要です。

診断と治療

 
視診と症状から診断します。
特効薬はなく、自然回復を待つ対症療法が基本です。
熱や痛みが強い場合は、解熱剤や痛み止めを使って楽に過ごせるようサポートします。

家庭でのケアと関わり方

冷たいもの・柔らかいものを中心に(ゼリー・豆腐・冷製スープなど)
水分補給を最優先に。飲めないときは少量ずつこまめに
食べられなくても責めない。焦らず回復を待つ<
「教えてくれてありがとう」「頑張ってるね」と勇気づける声かけ

 
「またごはん食べない」「ちゃんと水分とって!」と不安が募ることもあるかもしれません。
でも、子どもが「つらい」「休みたい」と思ったときに、そのまま受け止めてくれる人がいることこそ、安心につながります。
完璧でなくても、見守ることが最大のサポートです。

受診の目安

水分がほとんどとれない・尿が極端に少ない
高熱が3日以上続く
強い不機嫌・ぐったりしている

登園・登校の目安

発熱や口の中の痛みが落ち着き、普段どおりに食事・会話ができるようになれば登園可能です。
「みんなが行ってるから…」と焦る気持ちもあるかもしれませんが、本人の「そろそろ行けそう」という感覚を大切にしましょう。

よくある質問

 
Q. 発疹が残っていても登園していいですか?
A. はい。発疹があっても、体調が戻っていれば登園は可能です。
ただし、まだ痛みが残っている場合は無理をしないようにしましょう。
 
Q. お風呂に入ってもいいですか?
A. 熱がなく、元気があるなら入浴は問題ありません。
ただし発疹を強くこすらないよう注意しましょう。
 
Q. 大人やきょうだいにうつりますか?
A. 感染することもあります。
特に小さなお子さん同士は注意が必要です。タオルの共有や接触は避けましょう。

まとめ 
「食べない」も「つらい」のサイン

 
 
手足口病は多くの場合自然に治る病気ですが、口の中の痛みで食事や水分がとれないことが大きなストレスになります。
そんなときは、「今はつらいんだね」「休む時間が必要なんだね」と伝えてあげることが、回復の力を引き出す関わりになります。
子ども自身のリズムや気持ちを信じて、ゆっくり見守っていきましょう。
 


当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。


【この記事の監修・執筆】
 
アイキッズクリニック
     院長 会津 研二(小児科専門医)
 
新生児・発達・思春期の診療に長年携わり、
多くのお子さんの成長と自立を見守ってきました。
ご家庭や集団生活でも穏やかに過ごせるよう、
アドバイスや治療をご提案しています。