溶連菌感染症の再発
繰り返す発熱・のどの痛みの
対応と受診の目安
「治ったと思ったのにまた熱が…」「また溶連菌?」そんなご相談が多くあります。
この記事では、溶連菌の再発(再感染)の特徴と受診の目安、家庭での対応についてやさしく解説します。
繰り返す症状に戸惑う保護者の方に、安心して見守れるヒントもお伝えします。

溶連菌感染症の再発とは?
溶連菌感染症は抗生剤で適切に治療すれば数日で改善しますが、同じような症状が再び出ることもあります。
再発といっても、前の菌が残っていたケースと、別の溶連菌株に再感染したケースがあります。
再発のサイン
治療終了から1〜2週間以内に発熱やのどの痛みが再発 |
---|
咳や鼻水はほとんどない |
つばを飲むのもつらいのどの強い痛み |
首のリンパ節の腫れや発疹 |
「風邪かな」と思っても、咳や鼻水がなく、のどの強い痛みがあるときは再感染を疑います。
原因と背景
前回の抗生剤が途中で中断された・吸収が不十分だった |
---|
ご家庭や保育園・学校などで新たに感染した |
稀に保菌者である可能性もあり |
再発に気づいたとき、「ちゃんと治したはずなのに…」と自分を責めてしまう方もいらっしゃいます。
でも、感染症は“頑張り不足”で起こるものではありません。
焦らず、次の一歩を一緒に考えましょう。
診断と治療
当院では溶連菌抗原迅速検査を実施し、その場で診断が可能です。
必要に応じて血液検査(白血球・CRP)や尿検査を行い、合併症のチェックも行います。
再発時の治療
再感染と判断されれば、前回とは異なる抗生剤に変更することもあります。
症状が治っても、処方された薬は最後まできちんと飲み切ることが再発予防の基本です。
家庭でのケアと声かけ
のどの痛みが強いときは冷たいものやゼリーを中心に |
---|
「また病気になっちゃった…」と落ち込む子には「ちゃんと気づいて伝えてくれてえらいね」と声かけを |
兄弟間での感染予防(食器・タオルの使い分け)も意識を |
再発したことでお子さん自身が「悪いことをしたのかな」と感じてしまうこともあります。
だからこそ、「あなたのせいじゃないよ」「今も頑張ってるよ」と伝えることが、心の安心につながります。
受診の目安
のどの痛みが強く、高熱が続く |
---|
前回治療後から1〜2週間以内に同様の症状が再発した |
飲食がしづらい・水分がとれない |
再発を繰り返している・合併症が心配 |
登園・登校の目安
よくある質問
Q. 同じ薬でもう一度治療しても大丈夫ですか?
A. 症状の再発状況や検査結果によって、別の抗生剤に変更することもあります。再受診をおすすめします。
Q. 何度も繰り返すのはなぜですか?
A. 体質というより、周囲の流行や保菌者からの感染が多く、ご家庭での手洗い・衛生対策>が大切です。
Q. 保育園や学校はいつから行けますか?
A. 抗生剤開始から24時間以上経ち、解熱して元気が戻っていれば登園可能です。
ただし、症状の程度や本人の気持ちに合わせて判断してください。
当院では、発熱外来・思春期外来・発達外来も行っています。
心理面のご不安にも、臨床心理士と連携しながら対応しています。