感覚過敏
音・光・肌ざわりがつらい
子どもたちへ
「うるさくて集中できない」「服がチクチクして無理」…
感覚の“つらさ”に気づいていますか?
「チャイムの音が頭に響いてしんどい」「制服のタグや靴下の縫い目が気になってパニックになる」「給食のにおいで食欲がなくなる」
こうした“感覚の過敏さ”は、本人にとっては日常生活に支障をきたすほどのつらさを伴います。
小学生高学年〜高校生の思春期世代では、学校・家庭・社会の場で疲れやすくなる要因にもなっています。

感覚過敏とは?
発達する脳と“感じすぎる感覚”の
アンバランス
感覚過敏とは、音・光・触覚・味・においなど、五感の刺激を強く感じすぎてしまう状態です。
発達特性(ASD傾向、ADHD傾向など)のあるお子さんに多くみられますが、診断がつかない場合でも症状として現れることがあります。
よくある感覚の例:
【聴覚】教室のざわざわや掃除機の音で疲れる |
---|
【触覚】服の素材や締めつけ、髪のくくり方が苦手 |
【視覚】光がまぶしい、蛍光灯が気になる |
【嗅覚】給食・トイレ・人のにおいがつらい |
【味覚】食べ物の食感やにおいで吐き気がする |
本人は「わがまま」でも「神経質」でもなく、感じ方の違い=脳の個性なのです。
家庭でできる対応
“慣れさせる”より、
“守ってあげる”
無理に慣れさせようとしない
「みんな同じだよ」「我慢しなさい」は、逆効果になることもあります。
刺激に耐えようとすることで、毎日が“消耗戦”になってしまいます。
避ける工夫 × 気持ちを尊重
イヤーマフ・サングラス・帽子などの“バリア”を使う |
---|
「今日は教室がうるさかったね」と言語化してあげる |
「この音はしんどいかもね」と共感の姿勢を示す |
「本人が選べる場面」を増やす
服・食べ物・休憩場所など、自分でコントロールできる選択肢を持たせることで、安心感が増します。
受診の目安と相談先
親のみのご相談やオンライン診療も可能です
以下のような場合は、一度ご相談ください。
音や光などで疲れ果ててしまう |
---|
衣服や食事を極端に嫌がる |
学校生活や集団行動が難しくなってきている |
登校しぶりや不登校が始まっている |
家族の対応が限界に近いと感じている |
当院の【思春期・発達外来】では、小学生高学年〜高校生までを対象に、初診からオンライン診療にも対応しています。
また、「まずは保護者だけで相談したい」という方もご利用いただけます。
当院からのメッセージ
感覚過敏は、「我慢が足りない子」ではなく、「感じすぎて疲れている子」のサインです。
本人も「自分はおかしいのかな」と感じやすく、自己肯定感が下がってしまうこともあります。
私たちは、“違い”を“困りごと”にしない環境づくりと関わり方を、親御さんと一緒に考えています。
オンライン診療・保護者のみのご相談も対応可能です。どうぞお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
Q. 感覚過敏は治りますか?
A. 一生続くわけではありませんが、思春期に一時的に強くなることがあります。対応や環境調整で生活しやすくなることが多いです。
Q. 周囲に理解してもらえず、親としてもつらいです。
A. ご家庭だけで抱えず、医療・教育の専門家とつながることで安心感が得られます。
サポート方法も一緒に考えていきましょう。